高血圧予防と血圧管理

妊娠高血圧腎症の診断基準とは?血圧・蛋白尿・臓器障害の基準

はじめに

「妊娠高血圧腎症の診断基準とは何を見て判断するのだろう」
「血圧が高いと言われたけれど、蛋白尿がなければ問題ないのだろう」と不安に感じていませんか。

妊婦健診で血圧の数値を指摘されたり、尿検査の結果について説明を受けたりすると、自分や赤ちゃんの状態がどの程度なのか分からず、次の診察まで心配になってしまうことがありますよね。

この記事では、妊娠高血圧腎症の診断で確認される血圧・蛋白尿・臓器障害の基準について、どのような状態を判断材料にするのかを整理し、順を追って説明していきます。

妊娠高血圧腎症の診断基準とは?

妊娠高血圧腎症は、妊娠中に血圧が高くなる病態のひとつですが、診断には血圧の数値だけでなく、尿検査や全身の状態も確認する必要があります。

まずは妊娠高血圧症候群の中での位置づけを整理したうえで、どのような状態が診断につながるのかを順に説明していきます。

妊娠高血圧症候群の中で妊娠高血圧腎症はどう位置づけられる?

妊娠高血圧腎症は、妊娠高血圧症候群に含まれる病型の1つです。

高血圧だけがみられる状態とは異なり、蛋白尿や臓器障害を伴う場合に診断されます。

そのため、血圧だけでなく、尿検査や血液検査などの結果も含めて判断します。

妊娠20週以降の高血圧に蛋白尿や臓器障害などを伴う場合に診断される

妊娠高血圧腎症は、妊娠20週以降に高血圧がみられ、蛋白尿または臓器障害を伴う場合に診断されます。

蛋白尿は尿検査、臓器障害は血液検査などで腎機能や肝機能、血小板数などを確認して判断します。

妊娠高血圧腎症の血圧基準はどのくらい?

妊娠高血圧腎症の診断では、血圧の高さが重要な確認項目になります。

ただし、数値によって判断の基準や重症度の見方が異なるため、どの値から高血圧とされるのか、さらに注意が必要な範囲はどこなのかを理解しておくことが大切です。

ここでは、妊娠高血圧腎症で確認される血圧の基準について説明していきます。

140/90mmHg以上が高血圧

妊娠高血圧腎症では、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上が高血圧の基準です。

高血圧が確認された場合は、蛋白尿や臓器障害の有無もあわせて確認し、診断につなげます。

160/110mmHg以上は重症

収縮期血圧160mmHg以上または拡張期血圧110mmHg以上は、重症高血圧にあたります。

この基準に達した場合は、母体や胎児の状態を確認しながら、より慎重な管理が必要になります。

妊娠高血圧症候群と診断されたあとの治療や、入院・分娩が検討される基準が気になる方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
妊娠高血圧症候群の治療方法は?入院や分娩が必要になる基準を解説

蛋白尿や臓器障害は妊娠高血圧腎症の診断でどう判断される?

妊娠高血圧腎症の診断では、血圧の上昇だけでなく、腎臓の状態を示す蛋白尿や、母体の臓器に起こる変化も確認します。

ここでは、蛋白尿や臓器障害がどのように評価されるのかを説明していきます。

蛋白尿は尿蛋白量などをもとに評価する

蛋白尿は尿検査で確認し、尿中に含まれる蛋白の量をもとに評価します。

妊娠高血圧腎症では、尿蛋白が一定の基準を満たしているかを確認し、診断に用います。

蛋白尿がなくても臓器障害などがあれば診断される場合がある

妊娠高血圧腎症は、蛋白尿がなくても臓器障害が認められる場合には診断されることがあります。

血液検査などで腎機能や肝機能、血小板数などを確認し、高血圧とあわせて総合的に判断します。

蛋白尿が出ていなくても診断されるケースや、具体的な診断基準をさらに詳しく確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
妊娠高血圧腎症とは?症状・原因・診断基準をわかりやすく解説

妊娠高血圧症候群は病型によって診断基準が異なる

妊娠高血圧症候群には複数の病型があり、発症時期や蛋白尿・臓器障害の有無などによって診断基準が分けられています。

同じように血圧が高い状態でも、妊娠中に初めて発症した場合と、もともと高血圧がある場合では判断のポイントが異なります。

ここでは、それぞれの病型の違いや診断基準について説明していきます。

妊娠高血圧と妊娠高血圧腎症の違い

妊娠高血圧は、妊娠20週以降に高血圧がみられるものの、蛋白尿や臓器障害を伴わない状態です。

一方、妊娠高血圧腎症は、高血圧に加えて蛋白尿や臓器障害が認められる場合に診断されます。

加重型妊娠高血圧腎症の診断基準

加重型妊娠高血圧腎症は、妊娠前から高血圧や腎疾患などがある人に、妊娠後に妊娠高血圧腎症にあたる変化が加わった状態です。

もともとの高血圧に加えて蛋白尿が現れるなど、新たな所見がないかを確認して診断します。

高血圧合併妊娠との違い

高血圧合併妊娠は、妊娠前から高血圧がある場合や、妊娠20週未満から高血圧が確認されている状態です。

妊娠20週以降に発症する妊娠高血圧腎症とは、高血圧が現れた時期や蛋白尿・臓器障害の有無などから区別されます。

妊娠高血圧腎症の診断基準を確認するために行われる検査

妊娠高血圧腎症の診断では、症状や自覚だけで判断するのではなく、血圧や尿・血液の検査結果をもとに状態を確認します。

ここでは、妊娠高血圧腎症の診断で行われる主な検査について説明していきます。

血圧測定で高血圧の基準を満たしているか確認する

血圧測定では、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上の高血圧に該当するかを確認します。

基準値以上の場合は、尿検査や血液検査などを行い、蛋白尿や臓器障害の有無を調べます。

尿検査や血液検査で蛋白尿や臓器障害を確認する

尿検査では蛋白尿の有無を確認し、血液検査では腎機能や肝機能、血小板数などを調べます。

これらの結果を血圧とあわせて確認し、妊娠高血圧腎症に該当するかを判断します。

まとめ

妊娠高血圧腎症は、妊娠20週以降に高血圧がみられ、蛋白尿や臓器障害を伴う場合に診断されます。

診断では血圧だけでなく、尿検査や血液検査の結果もあわせて確認することが大切です。

また、蛋白尿がなくても、腎機能や肝機能の異常、血小板の減少などが認められる場合には診断されることがあります。

血圧が高いと指摘された場合は自己判断せず、医師の指示に沿って必要な検査や経過観察を受けましょう。

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