高血圧予防と血圧管理

健康診断で血圧が高い場合の再検査はどこで受けるべき?

目次

はじめに

健康診断で血圧に異常が見つかると、不安になる方が多いです。本記事は、そんなときに落ち着いて次の一歩を踏み出せるように、再検査の受け方や検査内容、費用、注意点などを分かりやすくまとめました。

対象読者

  • 健康診断で「要再検査」「要精密検査」と指摘された方
  • 家族の再検査を手伝う立場の方
  • 血圧の基礎を知っておきたい方

なぜ再検査が大切か

健康診断の血圧は環境や測り方で変わります。たとえば緊張で一時的に上がる「白衣高血圧」や、その日だけの変動もあります。しかし、そのまま放置すると将来的に心臓や血管の病気につながる恐れもあるため、正しい診断が必要です。

本記事の読み方

以降の章で、再検査を受ける場所の選び方、実際に行われる検査、費用や保険の扱い、受診時のポイントなどを順を追って解説します。まずは落ち着いて、次に何をすべきかを確認していきましょう。

健康診断で血圧が高いと指摘された場合の対応

初動の対応

健康診断で「血圧が高い」と言われたら、まず放置せず医療機関を受診してください。検査時の一時的な上昇の可能性があるため、すぐに診察して再度測定します。受診が難しい場合は、職場の保健室や近くのクリニックで再検査を受けるとよいです。

受診時に行われること

医師は問診で生活習慣や服薬歴を確認し、診察室で安静にしてから血圧を再測定します。必要に応じて家庭での血圧測定を指示したり、24時間血圧測定(ホルター血圧計)を勧めることがあります。

一時的に高くなる主な要因(具体例)

  • 緊張やストレス(診察室で緊張すること)
  • 飲酒・カフェイン摂取(検査前のコーヒーなど)
  • 運動直後や排尿直後
    これらは測り直すことで分かることが多いです。

24時間血圧測定とは

ホルター血圧計は日常生活中の血圧を長時間記録します。職場や睡眠時の変化を把握でき、診断の精度が上がります。

すぐに受診すべき症状

めまい、胸の痛み、息切れ、手足のしびれがある場合は、できるだけ早く救急受診してください。

受診のポイント

  • 検査結果や普段の血圧記録があれば持参する
  • 検査前は喫煙・カフェイン・激しい運動を避ける
  • 不安な点は遠慮なく医師に相談する

再検査で正確な状態を確認することが大切です。安心のためにも、早めの受診と継続的な測定をおすすめします。

再検査はどこで受けるべきか

健康診断で血圧が高いと指摘されたとき、まず考えるのは「どこで再検査を受けるか」です。以下のポイントを参考にしてください。

1) 健康診断を受けた医療機関

最もスムーズです。既に検査データがそろっているため、比較がすぐできます。追加の書類や紹介状が不要で、費用や手続きの面でも負担が小さく済みます。

2) かかりつけ医や近所のクリニック

普段から通っている医師に相談すると安心です。結果票を持参すれば前回の数値と比べやすく、生活習慣の相談もできます。予約や待ち時間が短いことが多い点も利点です。

3) 内科・循環器内科

内科でまず診てもらい、必要であれば循環器内科へ紹介してもらう流れが一般的です。高血圧の疑いが強い場合や心臓の病気が心配なら循環器内科が適しています。

4) 大きな総合病院・大学病院

より詳しい検査や専門的な治療が可能です。ただし、紹介状や初診料、予約が必要な場合がある点に注意してください。

受診時の実用的なポイント

  • 健康診断の結果票を必ず持参する。\n- 診察前に静かに5分ほど安静にして測ってもらうよう頼む。\n- 薬を服用している場合は薬の名前と服用時間を伝える。\n- 仕事や通院の負担を考え、通いやすい場所を選ぶ。

どこで受けるかは、手続きの簡単さ・専門性・通いやすさを比べて決めると良いです。

再検査で行われる主な検査内容

血圧測定(複数回・24時間)

健診で高血圧を指摘された場合、まず複数回の測定や24時間連続測定(ABPM)を行います。家庭で朝晩に測る家庭血圧と医療機関での測定を比べ、日内変動や白衣高血圧を確認します。例:夜間に高い場合は降圧薬の調整が必要になることがあります。

心電図(ECG)

心臓のリズムや以前の心筋梗塞の痕跡を調べます。胸痛や不整脈の自覚がある方には特に重要です。安静時の心電図は数分で終わります。

採血検査

腎機能(クレアチニン、eGFR)、血糖(空腹時血糖、HbA1c)、脂質(LDL・HDLコレステロール、トリグリセリド)、電解質などを調べます。腎臓や代謝の異常は血圧に影響します。

超音波検査(心臓・頸動脈)

心臓超音波(心エコー)で心筋の肥大や弁の状態を確認します。頸動脈エコーで動脈硬化の程度を評価し、脳梗塞リスクの目安にします。

血圧脈波(血管年齢)

baPWVなどで動脈の硬さや“血管年齢”を測定します。痛みはほとんどなく、短時間で結果が出ます。動脈硬化が進むと脳や心臓の病気リスクが高まります。

高度画像検査(必要時)

臨床所見や検査で異常があれば、CTやMRIを行い心臓・脳・腎臓の詳しい評価をします。狭心症や脳の小さな梗塞を調べる場合に用います。

必要な検査は症状や初期検査の結果で決まります。気になる点は医師と相談して進めてください。

再検査の費用・保険適用

保険適用の基本

再検査は基本的に健康保険が適用されることが多く、自己負担額は抑えられます。受診の際は保険証を必ず持参してください。負担割合は年齢や保険の種類で変わります(働き盛りの方は概ね3割負担が多いです)。

主な検査と費用の目安(総額)

  • 血液検査:2,500円~3,000円
  • 心電図(ECG):400円~1,000円
  • 超音波検査(エコー):1,000円~3,000円
  • MRI/CT検査:5,000円~20,000円程度
    これらは医療機関が請求する総額の目安です。患者さんの自己負担は負担割合に応じてさらに低くなります(例:3割負担なら血液検査は約750~900円)。

費用が変わる理由

医療機関の種類(クリニック・病院)、検査の範囲や詳細(造影剤の使用の有無)、地域差で費用は上下します。自治体の検診からの紹介や企業健診の再検査では扱いが異なることがありますので、事前に確認してください。

受診前に確認すること

  • 保険証を持参する
  • 受付でおおよその費用を確認する
  • 高額な検査は見積りを依頼する

簡単な例:心電図と血液検査を受け、3割負担の場合、総額目安3,000円分なら自己負担は約900円です。安心して受けられるよう、疑問は医療機関で遠慮なく尋ねてください。

再検査を受ける際の注意点・ポイント

健康診断で再検査を指示された方へ。再検査をスムーズに行うための注意点と、当日に気をつけたいポイントをわかりやすくまとめます。

持参するもの

  • 健康診断の結果票(必ず持参してください)
  • 現在の服薬リストやお薬手帳(降圧剤やサプリなど)
  • 既往歴や家族歴のメモ、普段の家庭血圧の記録があれば持参

検査当日の準備

  • 検査前は5分程度安静に座るなど、落ち着いてから測定します。
  • 検査前の喫煙やカフェイン摂取は血圧を上げることがあるため控えてください。
  • 衣服は腕が出しやすいゆったりしたものがおすすめです。

検査中・検査後の注意

  • 家庭での測定値や症状(めまいや頭痛など)は正直に伝えてください。
  • 医師に生活習慣改善の具体的な助言(食事、運動、減塩、体重管理)を求めましょう。
  • 検査費用や再診の頻度について、事前に確認すると安心です。

受診先に迷ったとき

  • 健康診断を行った医療機関か、普段かかっているかかりつけ医に相談するのが安心です。
  • 必要なら専門の循環器内科を紹介してもらいましょう。

放置せず医師と相談することが大切です。症状が強い場合や急に値が高くなった場合は、早めに受診してください。

専門クリニック・病院の選び方

選ぶときの基本ポイント

生活習慣病に強い「内科」や「循環器内科」は、高血圧の再検査や生活指導に向きます。診察実績や患者の評判、受けられる検査項目を確認しましょう。具体例:家庭血圧の記録を見てくれるか、24時間血圧測定(ABPM)を扱っているか。用語は少なく説明します。

クリニックが向く場合

・軽度〜中等度の高血圧で生活改善や薬の調整を希望する時
・通いやすさや継続したフォローを重視する時
実際の例:服薬開始後の1〜2ヶ月ごとの経過観察や食事・運動の具体的なアドバイスを受けたい場合は地域の内科で十分です。

大学病院・総合病院が向く場合

・精密検査や特殊治療が必要な疑い(二次性高血圧や臓器障害)
・複数の専門科が連携して診る必要がある時
紹介状が必要な場合があるので、事前に確認してください。

確認すべき具体項目

受診前に電話や公式サイトで次を聞きましょう:対応する検査(心電図、心エコー、血液・尿検査、ABPM)、初診の持ち物(紹介状、家庭血圧記録、服薬一覧)、待ち時間や費用の目安。

医師・施設の見分け方

・循環器や高血圧の経験がある医師か
・患者教育に力を入れているか(生活指導や栄養相談の有無)
挙げられる例:看護師や栄養士が在籍している施設は、継続的な生活改善支援が受けやすいです。

受診の目的を明確にすると、適切な施設を選べます。

よくある質問とQ&A

Q1: 健康診断と違う病院で再検査を受けてもいいですか?

A: 可能です。専門性や通いやすさで選べます。前回の健診結果(血圧の数値や健診票)を持参すると検査や診察がスムーズです。例:職場の健診で指摘された場合、かかりつけ医や循環器専門医に持って行くと安心です。

Q2: どの診療科を受診すべきですか?

A: 基本は内科か循環器内科です。普段からかかりつけ医がいる場合はまず相談してください。高血圧の既往や心臓の症状があれば循環器内科が適しています。

Q3: 保険は使えますか?

A: 原則として保険適用になります。負担は健診より少ないことが多く、初診料や検査費用は保険診療の扱いです。

Q4: 再検査は予約が必要ですか?

A: 多くの施設で予約を勧めます。電話やネットで確認してから行くと待ち時間が短くなります。

Q5: 持っていくものは?

A: 健診結果、保険証、現在服用中の薬の名前や内服中の薬そのものを持参してください。

Q6: 結果はいつわかりますか?

A: 検査内容によります。血液検査や心電図は当日説明がある場合が多く、詳しい結果は数日かかることがあります。

Q7: 再検査までの生活で気をつけることは?

A: 食事や水分は普段通りで構いませんが、カフェインや激しい運動は測定前に避けると正確な値が出やすいです。

ご不明点があれば、受診先に直接問い合わせるか、ここで具体的な状況を教えてください。丁寧にお答えします。

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