目次
はじめに

「免疫力サプリって、結局どれを選べばいいの?」
「種類が多すぎて、何が正解なのか分からない…」
そんなふうに感じていませんか。
医師がすすめる免疫力サプリは、成分名がたくさん並んでいるものを選ぶ、という考え方ではありません。今の自分の生活の中で足りていない栄養を、静かに補うために使います。
そのために、まず自分の毎日を振り返ります。
平日にほとんど外に出ず、日中に太陽の光を浴びる時間が10分もない状態ではないか。
野菜や魚をほとんど食べず、炭水化物中心の食事になっていないか。
平日の睡眠が5時間前後で、6時間を下回る日が続いていないか。
この3つをひとつずつ確認していくと、「何となく不安だから飲む」のではなく、「ここが足りないから補う」という選び方に変わります。
もし迷ったときは、最近ほとんど日光を浴びていないならビタミンDを、風邪をひきやすく野菜や果物が不足していると感じるならビタミンCを選ぶ、というように自分の生活に当てはめて考えていきます。順番に整理していけば、選択肢は自然としぼられていきます。
医師が免疫サプリをすすめるときの選び方
サプリメントの種類や成分名を先に見るのではなく、医師はまず生活の土台を確認します。免疫サプリが本当に必要かどうかは、日常の過ごし方や食事の取り方によって大きく変わるからです。ここでは、医師が実際に最初にチェックする生活習慣のポイントから順番に見ていきます。
医師は「日光を浴びているか」を最初に聞く
医師が免疫サプリを検討する際は、まず「1日にどれくらい日光を浴びているか」を確認します。平日に屋外へ出る時間や、在宅中心でほとんど外に出ない生活になっていないかを具体的に聞き取ります。日光に当たる時間が少ない場合は、皮膚で合成されるビタミンDが不足している可能性があるためです。
必要に応じて血液検査でビタミンDの値を確認し、基準値を下回っていればサプリメントを検討します。十分に日光を浴びており、血中濃度も問題ない場合は、免疫目的での追加サプリは勧めません。まず生活状況を確認し、数値を根拠に判断するのが医師の基本的な進め方です。
医師は「食事内容と回数」を確認する
医師が免疫サプリを検討する際は、まず1日の食事回数と内容を確認します。朝食を抜いて1日2食以下になっていないか、魚・肉・卵・野菜をどの程度食べているかを具体的に聞き取ります。直近3日分の食事を振り返ることで、栄養の偏りが見えてきます。
たとえば、主食中心の食事が続き、魚をほとんど食べない場合はビタミンD、肉や貝類をあまり食べない場合は亜鉛が不足しやすくなります。まず食事の回数と食品の種類を確認し、不足が明らかな栄養素がある場合にサプリメントを検討するのが医師の基本的な判断です。
医師がすすめる免疫サプリはこの5つ
医師はやみくもに「免疫に良い」と書かれた商品をすすめるわけではありません。血液検査の数値や生活習慣、食事内容を確認したうえで、不足しやすい栄養素や目的に合った成分を絞り込みます。実際の診療現場で名前が挙がりやすい成分はある程度共通しており、次の5つが代表的です。
医師がまず挙げるのはビタミンD
医師が免疫サプリの候補として最初に挙げることが多いのはビタミンDです。日光を浴びる時間が少ない人や、魚をほとんど食べない人は不足しやすいため、まず生活状況を確認します。必要に応じて血液検査で「25(OH)D」の値を測定し、基準値を下回っている場合にサプリメントでの補充を検討します。
摂取量と期間を決めて補充し、一定期間後に再検査で数値を確認します。生活状況と血液データを根拠に判断できるため、ビタミンDが最初の候補になりやすい栄養素です。
風邪対策として使われるのがビタミンC
風邪対策として候補に挙がるのがビタミンCです。野菜や果物をほとんど食べない人、外食中心で生野菜を1日1回も食べない人は不足しやすくなります。医師はまず食事内容を確認し、1日にどの程度摂れているかを見ます。
不足が明らかな場合にのみ、1日の摂取量を決めてサプリメントを検討します。すでに食事から十分に摂れている場合は追加で勧めることはありません。食事状況を確認したうえで必要な場合に使うのが基本です。
食事量が少ない人に出てくるのが亜鉛
食事量が少ない人に不足しやすいのが亜鉛です。1日2食以下の生活が続いている人や、肉・魚・貝類をほとんど食べない人は摂取量が少なくなりやすくなります。外食中心で主食だけの食事が多い場合も注意が必要です。
医師は直近数日分の食事内容を確認し、亜鉛を多く含む食品をどの程度食べているかを見ます。摂取が明らかに不足している場合にのみ、量を決めてサプリメントを検討します。まず食事を確認し、不足がはっきりしている場合に補うのが基本です。
腸の状態を見て選ばれるのが乳酸菌
腸の状態を確認したうえで候補に挙がるのが乳酸菌です。医師はまず、便の回数と状態を聞き取ります。3日以上排便がない、下痢が週に2回以上ある、腹部の張りが続いている場合は注意します。また、抗生物質を服用した直後かどうかも確認します。
排便が不安定で、野菜や発酵食品をほとんど食べていない場合に、摂取量と期間を決めて乳酸菌サプリを検討します。一定期間使用し、排便回数や便の状態の変化を確認するのが基本的な進め方です。
体力が落ちている場合のみβ-グルカンを検討する
体重が直近3か月で3kg以上減っている、37℃台の微熱が1週間以上続いている、階段を1階分上るだけで強い息切れが出るといった具体的な変化がある場合に限り、β-グルカンを検討することがあります。まず血液検査で炎症反応や栄養状態を確認し、感染症や他の疾患がないかを除外します。
そのうえで、きのこ類をほとんど食べていないなど食事からの摂取が少ない場合に、摂取量と期間を決めて使用します。数週間ごとに体重や体温の変化を確認し、改善が見られない場合は継続しません。数値や症状で体力低下が確認できる場合のみ検討するのが基本です。
免疫サプリを飲むとどう変わるのか
免疫サプリを飲めばすぐに強くなる、という単純な話ではありません。変化が出るとしても、生活習慣や体の状態によって差があります。ここでは、実際に報告されることのある変化と、過度に期待しないために知っておきたいポイントを順番に整理します。
風邪をひく回数が減ることがある
ビタミンDやビタミンCなど、不足している栄養素を補った場合、1年間に3〜4回風邪をひいていた人が1〜2回に減るといった変化が出ることがあります。とくに血液検査でビタミンDの値が基準を下回っていた人が補充した場合、のどの痛みや発熱で受診する回数が減るケースがあります。
ただし、すでに食事や日光で十分な量を摂れている人では、回数が変わらないこともあります。サプリを飲んだ全員の風邪がゼロになるわけではありません。不足していた栄養素を補った場合に、年間の発症回数が減ることがある、という変化が現実的な範囲です。
体調を崩したときの回復が早くなることがある
不足していた栄養素を補った場合、体調を崩したときの回復までの期間が短くなることがあります。たとえば、これまで風邪をひくと発熱やのどの痛みが7日ほど続いていた人が、5日程度で日常生活に戻れるようになるといった変化です。仕事を3日休んでいた人が1〜2日で復帰できるようになるケースもあります。
ただし、すべての人で回復が早まるわけではありません。食事や日光で十分な栄養を摂れている人では、日数が変わらないこともあります。不足していた栄養素を補った場合に、症状が続く日数が短くなることがある、という範囲が現実的な変化です。
日光不足や食事不足を補える
在宅勤務が中心で平日にほとんど外に出ない人は、日光を浴びる時間が1日10分未満になることがあります。このような生活ではビタミンDが不足しやすくなります。サプリを使えば、日光に当たれない日でも1日あたりの必要量を補うことができます。
また、朝食を抜いて1日2食以下になっている人や、魚・肉・野菜をほとんど食べない生活が続いている人は、ビタミンCや亜鉛が不足しやすくなります。食事で足りない栄養素を数値で確認し、不足分だけをサプリで補うことで、日光不足や食事不足による欠けた分を埋めることができます。
大きな効果を期待しすぎない
免疫サプリを飲んでも、風邪が一度も起きなくなる、発熱が必ず1日で治るといった変化は起きません。年間に4回風邪をひいていた人が0回になる、発症したその日に完全に治るという結果は期待できません。
不足していた栄養素を補った場合に、年間の発症回数が1〜2回減る、症状が続く日数が2日短くなるといった変化が出ることがあります。すでに十分な栄養を摂れている人では、数値や体感が変わらないこともあります。サプリは不足分を補うためのものであり、病気を確実に防ぐ薬ではありません。
免疫サプリを飲むときの注意点
免疫サプリは「体に良さそうだから」と自己判断で増やすと、効果の有無が分からなくなったり、過剰摂取につながったりします。安全に続けるためには、始め方と飲み方のルールを押さえることが大切です。ここでは、医療現場でも意識されている基本的な注意点を確認します。
いくつも同時に飲み始めない
複数のサプリを同じ日に一度に始めると、体調が変わったときに原因が特定できません。たとえば、ビタミンD・ビタミンC・亜鉛・乳酸菌を同時に開始し、1週間後に腹痛や下痢が出た場合、どの成分が影響しているのか判断できなくなります。
新しく始める場合は、1種類ずつ開始し、2〜4週間は継続して体調の変化を確認します。問題がなければ次の成分を追加します。血液検査を行う場合も、1成分ごとに数値の変化を確認した方が判断しやすくなります。効果と副作用の両方を見極めるために、同時にいくつも始めないことが基本です。
成分の吸収方法も確認する
ビタミンDは脂溶性のため、油を含む食事と一緒に飲むかどうかを確認します。たとえば、卵や魚、ナッツ類など脂質を含む食事のあとに摂る方が吸収されやすくなります。DHAやEPAが含まれている製品かどうかも確認ポイントです。朝食を抜く人は空腹時に飲みやすくなるため、食後に摂るよう意識します。
ビタミンCは水溶性で体外に排出されやすいため、タイムリリース型か、1日量を2回に分けて飲める設計かを確認します。商品説明に「食後」「1日2回」など具体的な飲むタイミングが記載されているかもチェックします。成分ごとの吸収方法に合わせて飲み方を決めることが必要です。
免疫サプリを選ぶときの注意点
「免疫にいい」と書かれていても、すべての商品に同じ根拠があるわけではありません。成分だけで判断せず、表示の種類やデータの有無まで確認することで、選択の精度が上がります。ここでは、購入前にチェックしておきたい表示や記載内容のポイントを整理します。
パッケージに機能性表示の記載があるかを見る
購入前に、パッケージに「機能性表示食品」と明記されているかを確認します。あわせて、届出番号(例:F123などの番号)が記載されているかも見ます。この表示がある商品は、事業者が科学的根拠をもとに機能性を届け出ている食品です。
裏面や側面に「本品には〇〇が含まれます。〇〇には△△の機能があることが報告されています」といった具体的な文言があるかを確認します。表示がない場合は、単なる栄養補助食品であり、機能性の根拠が示されていない可能性があります。購入前に表示内容と届出番号を実際に確認することが基本です。
医師の名前や臨床データが明記されているか確認する
購入前に、広告や公式サイトに記載されている医師の氏名と所属先を確認します。氏名だけでなく、勤務している医療機関名や専門分野が明記されているかを見ます。名前だけが写真付きで掲載され、所属や資格が書かれていない場合は注意が必要です。
あわせて、臨床データの内容も確認します。被験者数が何人か、試験期間が何週間か、プラセボ対照試験かどうかが具体的に記載されているかを見ます。「医師監修」「臨床試験済み」とだけ書かれていて、人数や数値が示されていない場合は根拠が不明確です。医師名と具体的なデータの両方が確認できるかを購入前にチェックします。
免疫サプリは生活改善の代わりにはならない
免疫サプリは不足を補うための手段であり、生活習慣そのものを置き換えるものではありません。睡眠や食事が崩れたままでは、成分を追加しても土台が整いません。まずは日常の基本がどの状態にあるのかを確認することが前提になります。
睡眠時間が6時間未満ならまず整える
平日の睡眠時間が毎日6時間未満で、5時間前後が続いている場合は、サプリを始める前に睡眠時間を増やします。たとえば、0時就寝・6時起床の生活を23時就寝・6時起床に変えるだけでも1時間延ばせます。布団に入ってから30分以上スマートフォンを見ている場合は、その時間を削ります。
睡眠が不足した状態では、栄養を補っても体調の変化は出にくくなります。まずは7時間前後の睡眠を確保し、就寝時刻と起床時刻を毎日そろえます。睡眠時間が6時間未満のままサプリを追加しても、生活の土台が整わない限り効果は出にくいのが現実です。
食事が偏っているならサプリより先に改善する
1日2食以下の生活が続いている、野菜を1日1回も食べていない、魚を週に1回も食べていない場合は、サプリを追加する前に食事内容を見直します。たとえば、毎日コンビニの麺類と丼物だけで済ませているなら、まずは1日1回、野菜を含む定食に変えます。朝食を抜いている場合は、ゆで卵やヨーグルトを加えるだけでも改善になります。
肉・魚・卵・豆類・野菜がそろっていない状態でサプリを増やしても、食事全体の不足は解消できません。まずは3日分の食事を書き出し、不足している食品群を具体的に補います。食事が整っていない段階では、サプリよりも食事改善を優先します。
まとめ
免疫サプリは「とりあえず有名だから飲む」という選び方はしません。まず確認するのは、自分の生活です。平日にほとんど外に出ず日光を1日10分も浴びていないならビタミンDを疑います。野菜や果物をほとんど食べず、風邪を年に3〜4回繰り返しているならビタミンCを確認します。1日2食以下で肉や魚をあまり食べていないなら亜鉛、便が3日以上出ない状態が続いているなら乳酸菌を検討します。
次に、商品を選ぶ段階では、機能性表示食品の記載と届出番号があるか、医師名や臨床データが具体的に示されているかを確認します。「医師監修」「実感率〇%」だけで、被験者数や期間が書かれていない商品は選びません。
ただし、サプリは生活改善の代わりにはなりません。睡眠時間が毎日6時間未満なら、まず7時間前後を確保します。野菜や魚をほとんど食べていないなら、1日1回でも食事を整えます。そのうえで、不足している成分だけを1種類ずつ補い、2〜4週間単位で体調の変化を確認します。
免疫サプリは「体質を変える特別な薬」ではありません。日光・食事・睡眠という土台を整えたうえで、不足分を数値や生活状況に基づいて補う。その順番を守ることが、現実的な使い方です。