目次
はじめに
乳酸菌と免疫の関係について調べていると、「どの乳酸菌がいいのか分からない」「菌の名前が多くて違いが分からない」と感じる方は多いはずです。
実は、免疫との関係で重要なのは「乳酸菌かどうか」ではなく、どの菌株かという点です。
この記事では、免疫との関係が研究されている乳酸菌を中心に、菌株ごとの特徴や考え方を整理して解説します。
乳酸菌と免疫の関係で重要なのは「菌株」

乳酸菌はすべて同じではない
「乳酸菌」と一言で言っても、その種類や菌株は非常に多く、働きも異なります。
免疫に関する研究では、特定の菌株を対象にした結果が示されているケースがほとんどです。
そのため、
- 菌の種類
- 菌株名が明記されているか
は、免疫目的で考えるうえで欠かせない視点になります。
乳酸菌は腸内環境を通じて免疫に関わりますが、その位置づけを理解するには、腸内環境全体の仕組みも押さえておくことが大切です。
▶ プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いとは?免疫との関係も解説
プロバイオティクス(菌そのもの)とプレバイオティクス(菌のエサ)の違いを整理し、免疫との関係を分かりやすく解説しています。乳酸菌の位置づけが明確になります。
免疫との関係が研究されている主な乳酸菌の種類
乳酸菌(Lactobacillus属)
乳酸菌の中でも研究が多いのが、ラクトバチルス属の菌です。
特徴
- 胃酸や胆汁に比較的強い菌株がある
- 腸内環境のバランス調整に関与
- 免疫細胞への刺激や調整が研究されている
風邪の発症頻度や体調管理との関連が報告されている菌株もあります。
ビフィズス菌(Bifidobacterium属)
腸内に多く存在する善玉菌の代表がビフィズス菌です。
特徴
- 腸内フローラの安定に重要
- 腸内環境の悪化を防ぐ役割
- 免疫バランスとの関係が研究されている
年齢とともに減少しやすいため、意識して補う対象として注目されています。
免疫との関係で注目される代表的な菌株
プラズマ乳酸菌
プラズマ乳酸菌は、免疫細胞のひとつである樹状細胞への作用が研究されている菌株です。
特徴
- 免疫の司令塔とされる細胞に関与
- 生きていなくても作用が期待される
- 日常の体調管理目的で研究が進んでいる
11-1乳酸菌(L-137乳酸菌)
加熱処理された状態でも研究されている菌株です。
特徴
- 免疫バランスへの関与が研究されている
- 生菌でなくても使われるケースがある
- サプリに配合されることが多い
植物性乳酸菌
植物由来の発酵食品から見つかる乳酸菌です。
特徴
- 胃酸に強い菌株が多い
- 日本の食文化に馴染みがある
- 腸内環境を通じた免疫サポートが期待される
「生きている菌」でなければ意味がない?
死菌・加熱菌でも研究されている
乳酸菌は「生きて腸まで届く」ことが強調されがちですが、
免疫との関係では、死菌や加熱菌でも研究対象になっている菌株があります。
免疫は腸内細菌そのものだけでなく、
- 菌体成分
- 菌がもたらす刺激
にも反応すると考えられているためです。
免疫目的で乳酸菌を選ぶときのチェックポイント
菌株名が明記されているか
「乳酸菌〇億個」だけでなく、
- 菌株名
- 研究実績の有無
が記載されているかを確認しましょう。
過剰な効果表現に注意
免疫対策として乳酸菌に注目する場合でも、サプリだけに頼らない視点を持っておくことは重要です。
▶ 免疫サプリは本当に必要?食事・生活習慣との正しい考え方を解説します
免疫ケアにおけるサプリメントの役割を、食事や生活習慣との関係から整理した記事です。過度な期待を避けたい方に向いています。
免疫は体の複雑な仕組みです。
「これだけで免疫が上がる」といった表現には注意が必要です。
乳酸菌はあくまで、免疫を支える環境づくりの一部と考えるのが現実的です。
まとめ|免疫を考えるなら「菌株」を見る
免疫との関係で乳酸菌を考える場合、
重要なのは「乳酸菌かどうか」ではなく、どの菌株かです。
- 研究されている菌株が明記されている
- 自分の生活習慣に合っている
- 継続できる形で摂れる
これらを意識することで、乳酸菌との向き合い方がより納得感のあるものになります。
乳酸菌は免疫を直接高める魔法の成分ではありませんが、
正しく理解すれば、日々の体調管理を支える選択肢のひとつになります。
菌株ごとの特徴を理解してくると、「では実際にサプリとして摂る意味はあるのか?」という疑問が出てきます。研究結果や選び方まで含めて整理しておくと、判断しやすくなります。
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