目次
はじめに
この記事では、インフルエンザ予防を「ワクチン（予防接種）」と「サプリメント（栄養補助食品）」の両面からやさしく解説します。ワクチンの効果や持続期間、重症化を防ぐ役割に触れ、免疫に関係する代表的なサプリメント（ビタミンDやプラズマ乳酸菌など）の特徴と期待できる働きを具体例で説明します。
こんな方に役立ちます。
- 毎年の予防接種を考えている方
- 日頃から免疫を整えたい方
- ワクチンとサプリメントの併用について知りたい方
この記事を読むと、次のことが分かります。
- ワクチンがどのようにインフルエンザから守るか
- 効果の持続期間と重症化予防についてのポイント
- ビタミンDや乳酸菌が免疫に与える影響と選び方の目安
- ワクチンとサプリメントを上手に組み合わせるための基本的な考え方
まずは第2章でワクチンの効果と持続期間について詳しく見ていきます。
インフルエンザワクチンの効果と持続期間
ワクチンの基本的な効果
インフルエンザワクチンは発症や重症化を防ぐ最も確かな手段です。2023～2024年シーズンの研究では、2～17歳で63～65％、18～64歳で36～55％、65歳以上で40～55％の有効性が報告されています。国内でも高齢者施設入所者で34～55％の発症予防効果が確認されています。
効果の持続期間
ワクチンの効果は時間とともに弱まります。報告では、大人が2回接種した場合に約80％近い有効性が保たれ、接種から1か月後で約77％、3か月後で約78.8％、5か月後で約50.8％へと徐々に低下しました。こうした性質を踏まえ、流行時期に合わせた接種のタイミングが大切です。
高齢者や重症化予防の効果
高齢者ではワクチン接種により死亡リスクが大幅に低下する報告があります。ある研究では死亡リスクが82％減少し、入院時のICU入室リスクが26％、入院後の死亡リスクが31％低下したと示されています。重症化を減らす点で重要な役割を果たします。
接種回数と実務上の注意
複数回の接種で効果が高まるケースがありますが、接種回数や時期は個人の年齢や健康状態で変わります。具体的な接種方針はかかりつけ医や保健所に相談してください。
インフルエンザ予防に注目されるサプリメント・成分
ワクチンに加えて、日常で取り入れやすい予防策としてサプリメントや栄養素が注目されています。ここでは代表的なものと、使い方のポイントを分かりやすく説明します。
ビタミンD
ビタミンDは免疫の働きを助ける栄養素です。2010年の慈恵医大の研究では、小児のインフルエンザ発症が4割以上減少したと報告されています。体内では紫外線を浴びることで作られますが、屋内中心の生活や冬場は不足しやすいです。サプリメントは補助として有効で、日々の習慣として取り入れやすい点が利点です。目安の量は個人差があるため、製品ラベルや医師に相談してください。
プラズマ乳酸菌（L. lactis strain Plasma）
この乳酸菌はプラズマサイトイド樹状細胞（pDC）の働きを助けるとされ、免疫機能の維持に役立つ可能性があります。ヨーグルトや発酵食品とは別に、サプリメントや飲料で手軽に摂れる製品があります。臨床試験で効果が示された製品を選ぶと安心です。
ビタミンCや複合サプリ
ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫細胞を支える補助になります。最近ではビタミンCやDを組み合わせた1日1粒タイプのサプリも多く、続けやすいのが特徴です。食事で不足しがちな時の補填として使えます。
注意点と上手な取り入れ方
サプリメントはあくまで補助です。ワクチンの代わりにはなりません。薬を服用中、持病がある、妊娠中の方は事前に医師に相談してください。過剰摂取や品質の悪い製品には注意し、信頼できるメーカーや臨床データのある商品を選びましょう。規則正しい生活、栄養バランス、手洗いなどの基本と組み合わせて取り入れると効果的です。
ワクチンとサプリメントの併用について
ワクチンはまず基本です
インフルエンザ予防の土台はワクチン接種です。特に高齢者や持病がある方は重症化を防ぐために接種を優先してください。サプリメントだけで代替することはできません。
サプリメントは補助として役立ちます
ビタミンDや乳酸菌（プロバイオティクス）、ビタミンC、亜鉛などは免疫を支える栄養素として注目されています。たとえばビタミンDは日光や食事で不足しがちなので、足りない分を補うと体調を整えやすくなります。ヨーグルトやサプリで乳酸菌を取り入れると、腸内環境が整い、体調管理に役立ちます。
併用の具体的ポイント
- 接種前後も通常の食事やサプリを続けて問題ありません。急に大量に摂る必要はなく、普段の摂取を心がけてください。
- バランスの良い食事と適度な睡眠、適度な運動を基本にしてください。サプリはあくまで補助です。
医師や薬剤師に相談すべき場合
- 抗がん剤や免疫抑制薬を使っている場合は、必ず医師に相談してください。
- サプリと常用薬の相互作用が心配なときは薬剤師に確認してください。
以上の点を踏まえ、ワクチンを基本にして、必要に応じてサプリメントで補うことで、より安心できる予防対策になります。