アルコールで血圧が下がるのはなぜ?
アルコールを飲んだあとに「立ちくらみがする」「急にフラッとする」と感じた経験はありませんか。
これは珍しいことではなく、アルコールが血圧を一時的に下げる作用を持っていることが関係しています。
ここでは、専門用語をできるだけ避けながら、
なぜアルコールで血圧が低下するのかを順番に解説します。
アルコールの血管拡張作用による影響
アルコールには、血管を広げる働きがあります。
血管が広がると、その分だけ血液が流れる空間が大きくなり、結果として血圧は下がりやすくなります。
たとえば、水道のホースを想像してください。
ホースを広げると、水の勢いは弱くなりますよね。
これと同じように、血管が広がることで血液の圧力が下がるのです。
この作用は飲酒後すぐに起こるため、
「飲んでしばらくしたらフラッとした」というケースによく当てはまります。
利尿作用による脱水と血圧低下の関係
アルコールには利尿作用もあります。
これは、体の中の水分を尿として外に出しやすくする働きです。
その結果、
・体内の水分量が減る
・血液の量が一時的に少なくなる
という状態になり、血圧が下がりやすくなります。
特に、
- 水分をあまり摂らずにお酒だけ飲んだ場合
- 長時間飲酒した場合
は、脱水気味になりやすく、血圧低下を感じやすくなります。
自律神経への影響と起立性低血圧
アルコールは、自律神経のバランスにも影響を与えます。
自律神経は、血圧や心拍数を無意識に調整している重要な仕組みです。
飲酒によってこの調整がうまく働かなくなると、
体勢を変えたときに血圧のコントロールが追いつかなくなります。
飲酒後に立ちくらみが起きやすい理由
座った状態や横になった状態から急に立ち上がると、
本来は血圧が一時的に上がって脳への血流を保ちます。
しかし飲酒後はその調整が遅れ、
脳への血流が一瞬足りなくなり、立ちくらみやめまいが起こりやすくなるのです。
これが、いわゆる起立性低血圧と呼ばれる状態です。
アルコールで血圧が下がったときの正しい対処法

アルコールによる血圧低下は、多くの場合一時的なものですが、
対処を間違えると転倒やケガにつながることがあります。
ここでは、血圧が下がったと感じたときに取るべき行動を、順番に解説します。
まず行うべき応急対応(安全確保)
血圧が下がったと感じたら、まず最優先すべきなのは安全の確保です。
無理に動かず、体を安定させることが重要です。
座る・横になる・急に動かない
- 立っている場合は、すぐに座る
- 可能であれば、横になって休む
- 立ち上がるときは、ゆっくり時間をかけて動く
これだけでも、めまいや立ちくらみが悪化するのを防ぎやすくなります。
「少し休めば大丈夫そう」と感じても、急な動作は避けましょう。
水分補給と電解質補給のポイント
アルコールによる血圧低下は、脱水が関係しているケースが多くあります。
そのため、水分補給は非常に重要です。
- 水や白湯を少しずつ飲む
- 一気飲みはせず、こまめに補給する
汗をかいている場合や、長時間飲酒していた場合は、
電解質を含む飲み物を選ぶのも一つの方法です。
ただし、アルコールを追加で飲むのは逆効果になるため避けましょう。
症状が落ち着くまでに避ける行動
血圧が下がっているときは、体への負担を減らすことが大切です。
- すぐに外出する
- 入浴やサウナに入る
- 激しい運動をする
これらの行動は、さらに血圧を下げる原因になります。
症状が完全に落ち着くまでは控えるようにしましょう。
アルコールによる血圧低下を防ぐ予防策
アルコールによる血圧低下は、事前の工夫や飲み方を見直すことで、ある程度予防することが可能です。
ここでは、飲酒前・飲酒中・飲酒後に分けて、無理なく実践できる予防策を解説します。
飲酒前にできる予防対策
飲酒前の準備は、血圧低下を防ぐうえでとても重要です。
- 空腹で飲まない
食事をとらずに飲むと、アルコールの影響が強く出やすくなります。 - 事前に水分をとる
コップ1杯の水を飲んでおくだけでも、脱水を防ぎやすくなります。 - 体調が悪い日は無理をしない
寝不足や疲労があると、血圧調整がうまく働きにくくなります。
「今日は調子がいまひとつ」と感じる日は、量を控える判断も大切です。
飲酒中・飲酒後に意識したいポイント
飲酒中や飲酒後の行動も、血圧低下の起こりやすさに大きく影響します。
- お酒の合間に水をこまめに飲む
- 一気飲みを避け、ゆっくりしたペースで飲む
- 飲酒後は急に立ち上がらない
特にトイレのあとや、席を立つときは、
立ちくらみが起きやすいため注意が必要です。
低血圧気味の人が特に注意すべき飲み方
もともと血圧が低めの人は、アルコールの影響を受けやすい傾向があります。
- 少量でも無理をしない
- 度数の高いお酒を続けて飲まない
- 体調や時間帯(深夜など)を考慮する
「他の人と同じ量を飲まなければいけない」ということはありません。
自分の体調に合わせた飲み方を意識することが、予防につながります。
こんな症状がある場合は病院を受診すべき

アルコールによる血圧低下は軽度であれば自然に回復することが多いですが、
中には医療機関での確認が必要なケースもあります。
「ただの飲みすぎ」と自己判断せず、注意すべきサインを知っておくことが大切です。
危険な低血圧のサインとは
次のような症状が出ている場合は、血圧が大きく下がっている可能性があります。
- 立っていられないほどの強いめまい
- 目の前が真っ暗になる感覚
- 冷や汗が出る、顔色が急に悪くなる
- 動悸や息苦しさを感じる
これらは、脳や体に十分な血液が行き渡っていないサインと考えられます。
意識障害・失神・冷や汗がある場合
一時的でも意識を失った、または失神しそうになった場合は注意が必要です。
転倒によるケガのリスクだけでなく、他の病気が隠れている可能性もあります。
このような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
持病や服薬がある人の注意点
以下に当てはまる人は、アルコールによる血圧低下が強く出ることがあります。
- 高血圧や心臓の病気で治療中
- 血圧を下げる薬を服用している
- 自律神経の不調を指摘されたことがある
薬とアルコールが重なることで、
想定以上に血圧が下がるケースもあります。
不安がある場合は、主治医に飲酒について相談しておくと安心です。
アルコールと血圧低下に関するよくある質問

アルコールと血圧低下については、
「これは大丈夫?」「自分の場合はどうなの?」と感じる方が多いテーマです。
ここでは、特によくある質問を取り上げて、やさしく解説します。
少量のアルコールでも血圧は下がりますか?
はい、少量であっても血圧が下がることはあります。
特に、もともと血圧が低めの人や、空腹時に飲んだ場合は影響が出やすくなります。
「少ししか飲んでいないのにフラッとした」という場合も、
アルコールの血管拡張作用が関係していると考えられます。
低血圧の人はお酒を完全にやめるべきですか?
必ずしも、完全にやめなければならないわけではありません。
ただし、体調や量、飲み方には十分な注意が必要です。
- 無理に飲まない
- 体調が悪い日は控える
- 少量でも違和感があれば中止する
このように、自分の体の反応を優先することが大切です。
血圧が下がりやすいお酒の種類はありますか?
一般的に、アルコール度数が高いお酒は影響が出やすい傾向があります。
また、短時間で多く飲むと血圧低下を感じやすくなります。
お酒の種類よりも、
- 飲む量
- 飲むペース
- その日の体調
が大きく影響する点を覚えておくと安心です。