
血糖値が上がりやすい人の多くは、「食べ物そのものの選び方」だけでなく、「食べ方の順番」「食べるスピード」などの生活習慣にも共通点があります。つまり、ちょっとした工夫を積み重ねるだけで、食後の血糖値は大きく変わります。この記事では、低GI食品の選び方、血糖値が上がりにくくなる“食べ方のコツ”、毎日の生活に取り入れやすい実践方法をまとめて整理しました。
目次
血糖値を下げるために知っておきたい基本
血糖値は「食事の糖質の量」と「吸収スピード」で決まります。糖の吸収スピードをゆっくりにすると、食後の急上昇(血糖値スパイク)を抑えられます。ここで重要なのが以下の3つです。
● GI値(食品ごとの血糖上昇スピード)
● 食べる順番
● 食物繊維・たんぱく質・脂質のバランス
低GI食品を選ぶコツ
GI値が低いほど血糖値が上がりにくく、腹持ちも良くなります。
低GIの主食
● 玄米
● 雑穀米
● 全粒粉パン
● そば
● オートミール
● 春雨(意外と低GI)
※白米・うどん・食パンは高GIで急上昇しやすいため、置き換えや混ぜ込みが有効。
低GIのおかず(たんぱく質系)
● 魚(サバ・鮭・アジなど)
● 鶏むね肉・鶏ささみ
● 大豆食品(豆腐・納豆)
● 卵
たんぱく質は血糖値上昇をおさえ、満腹感を高める効果があるため積極的に取り入れたい食品です。
血糖値を下げる働きがある野菜
● ブロッコリー
● ほうれん草
● キャベツ
● ごぼう
● オクラ
● 海藻類
● きのこ類
食物繊維豊富な野菜は糖の吸収をゆっくりにするため、最初に食べると効果的です。
避けたい高GI食品
● 白米・食パン・うどん
● じゃがいも
● コーンフレーク
● 菓子パン
● ケーキ・クッキー
● 清涼飲料水
加工品・砂糖の多い食品は血糖値スパイクを起こしやすいため注意。
特に注意したいのが“血糖値スパイク”。食後の急上昇は疲れやすさ・太りやすさのほか、将来的なリスクにもつながります。まずは仕組みを正しく理解することが大切です。
▶ 血糖値スパイクとは?原因・症状・今日からできる対策を完全ガイド
食後高血糖が起きる理由、危険なサイン、すぐ始められる改善策をまとめた基礎記事です。
血糖値を下げる“食べ方”のコツ
血糖値は「何を食べるか」よりも「どう食べるか」で大きく変わります。
① 食べる順番は「野菜 → たんぱく質 → 主食」
最も再現性が高い改善法。食物繊維が糖の吸収をブロックするため、同じメニューでも血糖値の上がり方が変わります。
血糖値が乱れる人の多くは、食事内容だけでなく“食事の順番”にも問題があります。実は順番を変えるだけで、同じ食事でも血糖値の上がり方が大きく変わります。
▶ 太りにくい食事の順番|血糖値を上げない基本ルールと実践例
「野菜→たんぱく質→主食」がなぜ最強なのか、医学的な根拠と実践方法をわかりやすく解説した記事です。
② 噛む回数を増やし、食べるスピードを落とす
早食いはインスリンの働きを乱し、太りやすくなります。1口20〜30回が理想。
③ 主食は“少しだけ後ろ”にずらす
いきなりご飯から食べると急上昇します。最初の5分を野菜・タンパク質で埋めるだけでも改善。
④ よく使う「調味料」を見直す
● 砂糖 → ラカント・エリスリトール
● めんつゆ・ミリン → 使いすぎ注意
● 白砂糖を使った甘い惣菜 → 可能なら控える
味付けが変わるだけで、糖質量が大幅に変わるケースもあります。
⑤ 水溶性食物繊維をプラスする
“食後高血糖”に効果的な代表が水溶性食物繊維。
● もち麦
● オートミール
● 海藻
● ごぼう
● りんご(皮ごと)
食物繊維がゲル状になり、糖の吸収がゆっくりになります。
血糖値を安定させるためには、GI値以外にも「糖の吸収スピード」を決めるポイントがあります。その代表が“食物繊維の質”です。特にもち麦やオートミールは血糖値改善との相性が抜群です。
▶ もち麦とオートミールの血糖値改善効果|食物繊維が効く理由を徹底解説
もち麦やオートミールが血糖値の急上昇を抑える仕組み、水溶性食物繊維の働き、初心者でも続けやすい食べ方をまとめた記事です。
間食で血糖値を整える方法
間食は悪ではなく、選び方次第で血糖値安定に役立ちます。
● ナッツ
● ゆで卵
● チーズ
● 無糖ヨーグルト
● 高カカオチョコ(70%以上)
※砂糖入りお菓子、スナック菓子、ジュースはNG。
外食で血糖値を上げない選び方
外食は高糖質になりがちですが、以下の工夫で血糖値を抑えられます。
● そば定食にする(うどんより低GI)
● 丼 → 定食へ変更し、ご飯量を半分に
● 最初に味噌汁と副菜を食べる
● 揚げ物は控えめに
● ソース・タレをかけすぎない(砂糖多い)
飲み物で血糖値を上げない方法
飲み物の影響は想像以上に大きく、ジュース1本で血糖値が急上昇します。
● 水
● お茶(緑茶・麦茶・ウーロン茶)
● ブラックコーヒー
● 無糖炭酸水
※カフェラテ、砂糖入り紅茶、スポーツドリンクは糖質が多いので注意。
血糖値を下げるのに役立つ簡単習慣
毎日の習慣で血糖値は確実に変わります。
● 食後10分の軽いウォーキング
● 食後すぐに寝ない
● 夜食を避ける
● 朝食を抜かない(昼の血糖値が乱れる)
特に食後10分のウォーキングは医学的にも効果が高いとされます。
具体的な1日の食事例
実行しやすい「血糖値が上がりにくい1日の流れ」です。
朝食
● オートミール+ヨーグルト
● ゆで卵
● 納豆
● 緑茶
昼食
● そば定食
● 野菜から食べる
● 唐揚げより焼き魚・蒸し鶏を選ぶ
夕食
● 野菜多めのスープ
● 魚か鶏肉
● 玄米 or 雑穀米(少量)
● 食後に10分ウォーキング
まとめ|“選び方+食べ方”を変えれば血糖値は大きく下がる
血糖値対策で最も重要なのは、以下の3点です。
● 低GI食品を選ぶこと
● 食事の順番(野菜→たんぱく質→主食)
● 食後の軽い運動
これらは薬に頼らずに改善できる“最も再現性が高い方法”で、日々の積み重ねが血糖値の急上昇を確実におさえます。今日からできるものをひとつずつ取り入れるだけでも、体調の安定・だるさの軽減・体重のコントロールにつながります。必要以上にストイックにならず、続けられる範囲で実践してみてください。