目次
はじめに
「立ち上がったときに急にめまいやふらつきが起こるのは、起立性低血圧なの?」
「朝起きたときや長く座ったあとに立つとクラクラするけれど、どう対処すればいい?」と気になっていませんか。
ベッドから起き上がった直後や椅子から立ったときに目の前が暗くなったり、ふらついてその場に立っていられなくなったりすると、貧血や疲れのせいなのか判断に迷うこともありますよね。
この記事では、起立性低血圧の原因や主な症状、自分でできる対処法、医療機関への相談を考えたいケースまで紹介します。
起立性低血圧とは?
起立性低血圧とは、横になった状態や座った状態から立ち上がったときに、血圧が大きく低下する状態です。
ここでは、起立性低血圧の状態や診断基準の目安、一般的な低血圧との違いについて説明します。
立ち上がったときに血圧が大きく低下する状態
起立性低血圧は、横になった状態や座った状態から立ち上がった際に、血圧が大きく低下する状態です。
通常は自律神経の働きによって血管を収縮させて血圧を保ちますが、この調節がうまく働かないと、立ちくらみやめまいなどが起こることがあります。
起立後3分以内の血圧低下が診断基準の目安
起立性低血圧は、立ち上がって3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下することが診断基準の目安です。
立つ前と立った後の血圧を測り、もともとの血圧値ではなく、起立によってどの程度低下したかを確認します。
一般的な低血圧との違い
一般的な低血圧は安静時から血圧が低い状態ですが、起立性低血圧は立ち上がったときに血圧が大きく低下する点が異なります。
そのため、普段の血圧が低くなくても、起立後の血圧低下が基準に当てはまれば、起立性低血圧と判断されることがあります。
起立性低血圧が起こる主な原因
起立性低血圧は、立ち上がったときに血圧を保つ仕組みがうまく働かないことで起こります。
ここでは、起立性低血圧につながる主な原因を順に説明します。
自律神経による血圧調節がうまく働かない
立ち上がると血液が下半身に移動するため、通常は自律神経が血管の収縮や心拍数を調節して血圧を保ちます。
この働きが十分でないと、立ち上がった際に血圧が下がり、起立性低血圧が起こりやすくなります。
脱水などで体内の水分が不足している
脱水などで体内の水分が不足すると血液量が減り、立ち上がったときに心臓へ戻る血液も少なくなります。
その結果、血圧を十分に保ちにくくなり、起立性低血圧につながることがあります。
薬の影響や基礎疾患が関係することもある
服用している薬や基礎疾患によって、立ち上がったときの血圧調節がうまく働かなくなる場合があります。
特に血圧を下げる薬のほか、自律神経や心臓などに関わる疾患がある場合は、起立性低血圧につながることがあります。
加齢によって起こりやすくなる場合がある
加齢に伴って、血圧の変化を感知し、自律神経を通じて調節する働きが低下することがあります。
そのため、立ち上がったときに血圧を保つ反応が遅れ、起立性低血圧が起こりやすくなる場合があります。
起立性低血圧でみられる主な症状
起立性低血圧では、立ち上がった直後に立ちくらみやめまい、ふらつきなどが現れることがあります。
ここでは、起立性低血圧でみられる主な症状と、自己判断する際の注意点について説明します。
立ちくらみ・めまい・ふらつきが起こる
起立性低血圧では、横になった状態や座った状態から立ち上がったときに、立ちくらみやめまい、ふらつきが起こることがあります。
血圧の低下によって脳への血流が一時的に減り、立った姿勢を保ちにくくなる場合もあります。
目の前が暗くなったり失神したりすることもある
起立時の血圧低下が大きいと、目の前が暗くなったり、意識を失って倒れたりすることがあります。
失神によって転倒することもあるため、症状が現れたときは注意が必要です。
症状だけでは起立性低血圧と自己判断できない
立ちくらみやめまい、ふらつきなどがあっても、症状だけで起立性低血圧と判断することはできません。
診断では起立前後の血圧を測定し、立ち上がってから3分以内にどの程度変化したかを確認します。
起立性低血圧の症状が出たときの対処法
起立性低血圧による立ちくらみやめまい、ふらつきが起こったときは、無理に立ち続けないことが大切です。
ここでは、症状が出たときに取る具体的な対処法を説明します。
無理に立ち続けず座る・横になる
立ちくらみやめまい、ふらつきを感じたら、無理に立ち続けず、その場で座るか横になって休みます。
立ったままでいると転倒するおそれがあるため、症状が落ち着くまでは無理に立ち上がらないようにしましょう。
転倒しないよう安全な場所で休む
症状が出たときは歩き続けず、椅子や床など転倒の心配が少ない場所で休みます。
ふらつきが落ち着いてからも急に動かず、様子を見ながらゆっくり姿勢を変えましょう。
水分不足が考えられる場合は適切に水分を補給する
汗をかいたり水分摂取量が少なかったりした場合は、水などを少しずつ飲んで水分を補給します。
ただし、医師から水分摂取量を制限されている場合は、自己判断で増やさず指示に従いましょう。
起立性低血圧を予防するために日常生活でできること
起立性低血圧による立ちくらみやふらつきを防ぐには、日常生活のなかで急激な血圧低下を起こしにくい行動を意識することが大切です
ここでは、起立性低血圧を予防するために日常生活で実践できる方法を説明します。
寝た状態や座った状態からゆっくり立ち上がる
寝た状態から起きるときは、すぐに立ち上がらず、いったん座ってからゆっくり立ちます。
必要に応じて手すりや家具などにつかまり、段階的に姿勢を変えることで、立ち上がった直後の血圧低下を防ぎやすくなります。
水分不足を避ける
体内の水分が不足すると血液量が減り、立ち上がったときに血圧を保ちにくくなります。
日中はこまめな水分補給を心がけますが、心臓や腎臓の病気などで水分量を指示されている場合は、その指示に従いましょう。
長時間の立ちっぱなしや急な姿勢変化に注意する
長時間立ち続けると血液が下半身にたまり、立ちくらみやふらつきが起こることがあります。
同じ姿勢を長く続けず、必要に応じて座って休み、姿勢を変えるときもゆっくり動くようにしましょう。
起立性低血圧で医療機関を受診したほうがよいケース
起立性低血圧が疑われる症状があっても、一時的な立ちくらみなのか、受診が必要な状態なのか判断に迷うことがあります。
ここでは、医療機関を受診したほうがよい具体的なケースを説明します。
立ちくらみやめまいを繰り返している
立ち上がるたびに立ちくらみやめまいが起こるなど、同じ症状を繰り返している場合は医療機関を受診しましょう。
起立性低血圧かどうかを確認するためにも、一時的なものと自己判断せず医師に相談することが大切です。
失神したり転倒したりした
立ち上がった際に意識を失ったり、ふらついて転倒したりした場合は医療機関を受診しましょう。
失神には起立性低血圧以外の原因が隠れていることもあり、転倒によって体を強く打っている可能性にも注意が必要です。
症状が強く日常生活に支障が出ている
立ちくらみやめまい、ふらつきが強く、仕事や家事、外出などに支障が出ている場合も受診の目安です。
立っていられない、移動が難しいといった状態を繰り返す場合は、我慢せず医師に相談しましょう。
まとめ
起立性低血圧は、横になった状態や座った状態から立ち上がったときに血圧が大きく低下し、立ちくらみやめまい、ふらつきなどが現れる状態です。
自律神経による血圧調節の異常や脱水、薬、基礎疾患、加齢などが関係することがあり、症状が出たときは無理に立ち続けず、安全な場所で座るか横になって休みましょう。
日常生活では、急に立ち上がらないことや水分不足を避けること、長時間立ち続けないことが予防につながります。
立ちくらみやめまいを繰り返す、失神・転倒がある、日常生活に支障が出るほど症状が強い場合は自己判断せず、医療機関を受診して原因を確認しましょう。