高血圧予防と血圧管理

高血圧でも安心!パスタの塩分と上手に付き合う方法

目次

はじめに

本記事は、高血圧の方やそのご家族、また塩分と健康に関心のある方に向けて書いています。パスタは手軽でおいしい食事ですが、ソースや調味で塩分が高くなりやすいため、注意が必要です。本章では、記事全体の目的と読み方をやさしく紹介します。

  • 目的:高血圧の方が無理なくパスタを楽しめるように、塩分の取り方や具体的な工夫、選び方を分かりやすくまとめます。
  • 想定読者:高血圧と診断された方、予防を考える方、家庭での調理を担当する方。
  • この記事で学べること:パスタ料理に含まれる塩分の特徴、家庭でできる減塩のコツ、塩分控えめでもおいしいレシピ例、外食や市販品の選び方と注意点。

読み進める際は、まず第2章で塩分と血圧の関係を理解し、その後に具体的な調理や選び方の章を参照してください。無理なく続けられる工夫を中心に解説します。

高血圧と塩分摂取の関係

概要

高血圧の予防と管理には塩分制限が大切です。塩分(ナトリウム)を多く摂ると体が水分をため込み、血液の量が増えて血圧が上がります。日本高血圧学会は1日あたりの塩分を6g未満にすることを推奨しています。

塩分が血圧に与える仕組み

ナトリウムは体内で水分を引き寄せる働きがあります。その結果、血管の中の血液量が増え、血管にかかる圧力が高まります。長く続くと血管や心臓に負担がかかり、合併症のリスクが上がります。

目安と具体例

1日6gは意外と少ない量です。目安としては、みそ汁1杯で約1.5g、しょうゆ小さじ1で約0.6g、漬物少量で0.5〜1g、コンビニのおにぎり1個で1〜1.5gほどと考えてください。これらを組み合わせるとあっという間に6gに達します。

塩分を減らすと期待できる効果

塩分を1日6g未満に抑えると、収縮期血圧は平均で4〜6mmHg、拡張期血圧は2〜3mmHg下がるという報告があります。血圧が下がると心臓や血管の負担が軽くなり、将来の病気予防につながります。

日常では食品表示を確認し、加工食品や外食を控えめにして、だしやハーブ、酢やレモンで風味を補う工夫が有効です。

パスタ料理の塩分量と高血圧への影響

パスタ本体と調理の違い

乾麺そのものはほとんど塩分を含みません。塩分が増える主な原因は、茹でるときの塩、ソース、トッピングです。市販ソースや外食は味をしっかり付けるため、塩分が高くなりやすいです。

具体的な目安(おおよその数値)

  • ミートソーススパゲティ:1食あたり約4〜6gの塩分になることが多いです(外食・市販品で特に高め)。
  • クリーム系やチーズたっぷりのもの:チーズやベーコンで塩分が増え、1食で3〜5g程度になる場合があります。
  • ペペロンチーノやオイル系:調味料を控えれば比較的低めですが、ニンニクや塩の量で2〜4g程度に変わります。

これらは目安で、調理法や量で大きく変わります。1食で1日の塩分目安のかなりの部分を占めることがあるため、高血圧の方は注意が必要です。

高血圧への影響(簡単な説明)

塩分を多く取ると体内の水分量が増え、血液の量が増えて血圧が上がりやすくなります。特に外食や市販のパスタは一度に多くの塩分を摂りやすいので、習慣的に食べると血圧管理が難しくなります。

すぐできるチェックポイント

  • 食べる前に栄養表示やメニューの塩分量を確認してください。
  • 外食ではソース少なめや味薄めを注文すると調整しやすいです。
  • 家で作る場合はソースを半量にして、ハーブやレモンで風味を足すと満足感が得られます。

高血圧の人がパスタを楽しむための減塩の工夫

高血圧の方でも工夫すれば、安心してパスタを楽しめます。家庭でできる具体的なポイントを分かりやすく紹介します。

1) 茹でるときの塩の工夫

  • 茹で湯の塩を減らすか入れないで茹でます。麺に強い塩味がつかないため結果的に塩分を抑えられます。
  • 茹で時間を守り、湯で戻したらよく湯切りします。パスタのとろみ(パスタ湯)を少量使うとソースがよく絡み、少ない塩でも満足感が出ます。

2) 市販ソースの選び方

  • 成分表示で「食塩相当量」を確認し、減塩タイプや野菜ベースのものを選びます。
  • 味が濃い場合は、ソースを野菜でかさ増しして薄めます(トマト、きのこ、ほうれん草など)。

3) 手作りソースの工夫

  • トマト、きのこ、玉ねぎ、にんにく、レモン汁、ビネガーなどで旨みと酸味を出します。
  • 昆布だしや干し椎茸の戻し汁でうま味を補い、塩の代わりに香味野菜やハーブ(バジル、オレガノ、パセリ)を使います。
  • オリーブオイルや香ばしく炒ったナッツ、酵母エキス風味の『ニュートリショナルイースト』で深みを出します。

4) たんぱく源とチーズの扱い

  • ベーコンやハムなどの加工肉は塩分が高いので量を減らすか使いません。代わりに鶏肉、エビ、豆類、豆腐を使います。
  • チーズは風味付けに少量だけ使うか、仕上げにかける量を控えます。

5) 味付けのコツ

  • 焼き目をつける、ローストするなどで素材の甘味を引き出します。
  • 仕上げにレモンの皮や黒胡椒、香りの強いハーブを加えると塩を減らしても満足感が得られます。

少しずつ塩を減らすことで味覚が慣れ、減塩でも美味しく感じられるようになります。

塩分控えめでも美味しいパスタレシピ例

以下は塩分を控えながら旨みや風味を活かすレシピ例です。調味は味見をしながら少しずつ加えると安心です。

1. トマトジュースとツナの簡単パスタ

材料(1人分):スパゲッティ80g、トマトジュース200ml、缶ツナ(オイル無)1缶、にんにく1片、オリーブ油大さじ1
作り方:にんにくを弱火で香りを出し、トマトジュースとツナを加えて温めます。茹でたパスタを和えて黒胡椒や刻みバジルで仕上げます。
ポイント:塩はほとんど不要です。トマトの酸味とツナの旨みで満足感が出ます。

2. きのことキャベツの和風だしパスタ

材料:スパゲッティ80g、好みのきのこ100g、キャベツ適量、だし(昆布だしか顆粒少量)
作り方:きのこを炒め、キャベツを加え軽く炒めます。茹で汁を少量で伸ばしながらだしで調味し、パスタと和えます。
ポイント:だしの旨みで塩を減らせます。きのこの香りを活かしてください。

3. レモンとバジルのさっぱりオイルパスタ

材料:パスタ80g、レモン1/2個(皮と汁)、にんにく1/2片、オリーブ油大さじ1、刻みバジル
作り方:にんにくを弱火で香り付けし、茹でたパスタとレモン汁・皮を合わせ、バジルで仕上げます。
ポイント:レモンの酸味と香りで塩分を感じにくくします。

4. 減塩塩昆布とほうれん草の和風パスタ

材料:パスタ80g、ほうれん草1束、減塩塩昆布小さじ1、胡麻少々
作り方:ほうれん草をさっと茹で、パスタと和えて減塩塩昆布を加えます。仕上げに胡麻を振ります。
ポイント:塩昆布の旨みでシンプルに味が決まります。減塩タイプを選びましょう。

5. 市販の減塩ソースを使うコツ

使い方:市販の減塩トマトソースは野菜やツナを加えてかさ増しすると満足度が上がります。仕上げにレモンやハーブを加えて風味を強めます。

いずれも味見をして調整し、香味野菜や柑橘、だしを活用して旨みを補うと塩分を抑えながら満足できる味になります。

高血圧対策の食材選び

なぜ食材選びが大切か

高血圧対策では、塩分を減らすだけでなく食品の力を生かすことが大切です。特にカリウムは体内の余分なナトリウムを排出しやすくし、血圧の安定に役立ちます。EPA・DHAを含む青魚は血脂を整える効果が期待できます。

おすすめの食材(具体例)

  • カリウムが豊富:ほうれん草、ブロッコリー、じゃがいも、トマト、バナナ、アボカド
  • 豆類・豆製品:大豆、レンズ豆、ひよこ豆、納豆(たんぱく質と食物繊維が摂れます)
  • 海藻:わかめ、昆布、のり(ミネラル補給に適します)
  • 青魚・ツナ:サバ、イワシ、アジ、ツナ(EPA・DHAで中性脂肪抑制の助けに)
  • 全粒穀物・きのこ類:食物繊維が多く満腹感を得やすいです

組み合わせの工夫(食べ方例)

  • ほうれん草+ツナ+トマト:パスタやサラダに入れて栄養バランスを整えます
  • じゃがいも+きのこ+昆布だし:塩を控えて旨味で満足感を出せます
  • 豆類+ブロッコリー+レモン:食物繊維とビタミンで満足感が続きます

調理のコツ

  • 塩は控えめにして、レモン、酢、ハーブ、スパイス、だしで味を引き出します
  • 食材はなるべく薄めの切り方や加熱で甘みや旨味を出すと塩がなくても満足できます

注意点

  • 腎臓病や特定の薬を服用中の場合はカリウムの過剰に注意し、医師に相談してください
  • バランスよく多種類を取り入れることが基本です

外食・市販パスタを選ぶ際の注意点

外食で気をつけるポイント

外食のパスタは味付けが濃いことが多いので、注文や食べ方で塩分を減らせます。具体的には:
- ソースを別添えにしてもらい、かける量を自分で調整する。
- 具材を野菜や魚介中心にして、ボリュームを出す(満足感が増え、ソースを減らせます)。
- チーズやベーコン、ハムなど塩気の強いトッピングは控えるか少なめに頼む。
- スープパスタはスープを残す。飲み干さないだけで塩分を大幅に減らせます。

メニュー選びの指針

  • トマトベースやオイルベースを選ぶと、クリーム系より塩分や脂質が控えめな場合が多いです。
  • シェフに「味薄め」「塩少なめ」で調理をお願いできるか聞いてみてください。
  • 量が多ければシェアするか、持ち帰りを活用して1回の摂取量を減らしましょう。

市販パスタ(レトルト・即席)の選び方

  • ラベルの「食塩相当量」を確認し、1食あたりの塩分が少ない商品を選ぶ。
  • 「減塩」と明記された商品や、ソースが別包装になっている商品を選ぶと調整しやすい。
  • 即席タイプはソースの半分しか使わないなど、自分で濃さを調整する工夫が有効です。

副菜や組み合わせの工夫

  • サラダ、温野菜、果物などカリウムを含む副菜を一緒にとると、塩分バランスの補助になります。
  • スープやパンだけで済ませず、野菜を先に食べると満腹感が得られ、パスタの量を抑えやすくなります。

外食や市販品でも、ちょっとした頼み方や選び方で塩分を大きく抑えられます。自分の好みと健康を両立させるために、店員さんに相談したり、商品の表示を確認したりする習慣をつけましょう。

おすすめの減塩パスタ商品

はじめに

市販の減塩パスタ商品は、手軽に塩分を抑えつつパスタを楽しめます。ここでは種類ごとの特徴と選び方、具体例と使い方のコツを紹介します。

商品の種類と特徴

  • 減塩トマトソース:酸味やハーブで満足感を出し、塩分は1食あたり0.7〜1.0gの製品が多いです。味がしっかりして使いやすいです。
  • 減塩和風ソース:だしや酢で風味を補い、0.6〜0.9g程度のものがあります。和素材の具材と相性が良いです。
  • 低塩クリーム系:脂肪のコクで塩気を感じにくく、0.9〜1.2g程度の製品が見られます。

選び方のポイント

  • ラベルで「食塩相当量」を必ず確認してください。表示は1食分あたりで見ます。
  • 「無添加」や「だし強め」などの表現が味の調整に役立ちます。
  • 固形ソースや濃縮タイプは量を調節しやすく便利です。

具体例(目安)

  • トマト系減塩ソース(例:1食あたり食塩相当量0.88g)
  • 和風だしの減塩ソース(例:0.7〜0.9g)
  • 低塩クリームソース(例:0.9g前後)

使い方のコツ

  • 仕上げにレモン汁やハーブを加えると塩を足さずに風味が増します。
  • 野菜やきのこを多めに入れると満足感が高まり塩分を気にせず食べられます。

購入時の注意点

  • 表示は必ず確認し、1食分の量が自分の食べる量と合うか確かめてください。
  • 加工食品に頼り過ぎないよう、食材のバランスも心がけましょう。

まとめ:高血圧の人がパスタを食べる際のポイント

高血圧の人も、ちょっとした工夫でパスタを安心して楽しめます。ソースやトッピングが塩分の主な原因なので、材料選びと調理法を工夫しましょう。

実践ポイント

  • 分量を意識する:乾燥パスタは1人分80g前後を目安にします。
  • ソース選び:トマトベースやオイルベースは比較的塩分が抑えやすいです。クリームや市販の濃厚ソースは塩分が高くなりやすいので量を減らします。
  • うま味で満足感を出す:昆布だし、干し椎茸、トマト、アンチョビ少量、パルメザン少々で味を補います。
  • ハーブ・酸味を活用:バジル、パセリ、レモン汁で風味を立てると塩を減らせます。

調理のコツと外食の注意

  • 茹で汁は必要以上に使わない、塩は控えめに。具材は野菜と良質なたんぱく質を増やしましょう。
  • 市販品や外食は栄養表示や味見で塩分を確認し、分け合うなど量を調整します。

少しの工夫で満足感を保ちながら塩分を抑えられます。日々の食事でバランスを意識して楽しんでください。

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