はじめに 背景 妊娠高血圧症候群(PE、HDP)は、妊婦さんと赤ちゃんの両方に重大な影響を及ぼします。母体では高血圧や腎障害、けいれん(子癇)といった合併症を招き、胎児では成長遅延や早産、稀に胎児死亡につながることがあります。こうしたリスクを減らすために、低用量アスピリン(バイアスピリン®)の予防投与が注目されています。世界的に標準的な手段の一つとして位置づけられ、ガイドラインにも取り上げられています。 本シリーズの目的と流れ 本シリーズでは、バイアスピリンがなぜ使われるのか、どの時期から開始するのがよい ...