目次
はじめに
「アレルギーは、どうして起こるの?」
「花粉や食べ物など、本来は危険ではなさそうなものに体が反応するのはなぜ?」と気になっていませんか。
花粉の季節になるとくしゃみや鼻水が出たり、特定の食べ物を口にしたあとに皮膚がかゆくなったりすると、体の中で何が起きているのか知りたくなりますよね。
この記事では、アレルギーと免疫の関係、アレルゲンに反応して症状が出るまでの流れ、抗体や免疫細胞がどのように関わるのかをわかりやすく整理します。
アレルギーは免疫が特定の物質に過剰反応することで起こる
アレルギーの仕組みを理解するには、まず免疫がどのような役割を持っているのかを知る必要があります。
ここでは、免疫の本来の働きと、アレルギーではなぜ害の少ない物質にも反応することがあるのかを説明します。
免疫は本来・細菌やウイルスなどから体を守る仕組み
免疫は、体内に侵入した細菌やウイルスなどを異物として認識し、排除することで体を守る仕組みです。
免疫細胞が異物の特徴を見分けて反応することで、体内で増えたり広がったりするのを防ごうとします。
本来は害の少ない物質にも免疫が反応することがある
アレルギーでは、花粉や食べ物など、本来は体への害が少ない物質にも免疫が反応することがあります。
こうした物質を異物として認識して免疫反応が起こることで、くしゃみやかゆみなどの症状が現れる場合があります。
アレルギーが起こる仕組みを順番に解説
アレルギー症状は、アレルゲンが体内に入った直後に必ず起こるわけではありません。
ここでは、アレルゲンが体内に入ってからアレルギー症状が現れるまでの流れを4つの段階に分けて説明します。
①花粉や食べ物などのアレルゲンが体内に入る
アレルギー反応は、花粉や食べ物などのアレルゲンが体内に入ることから始まります。
花粉は鼻や目などの粘膜から、食べ物は消化管から体内に入り、免疫によって認識されます。
②アレルゲンに反応する状態になる(感作)
アレルゲンが体内に入ると、免疫がその物質を認識し、次に入ってきたときに反応できる状態になることがあります。
この過程を「感作」といい、感作が成立してもすぐに症状が現れるとは限りません。
③再びアレルゲンが入ると免疫反応が起こる
感作が成立したあとに同じアレルゲンが再び体内に入ると、免疫がアレルゲンを認識して反応します。
この反応によって、ヒスタミンなどの物質が放出されるようになります。
④ヒスタミンなどが放出されアレルギー症状が現れる
放出されたヒスタミンなどが鼻や目、皮膚などに作用すると、くしゃみや鼻水、かゆみなどの症状が現れます。
このように、アレルギー症状は免疫反応によって放出された物質が体に作用することで起こります。
アレルギーの原因になる代表的なアレルゲン
アレルギーの原因になる物質は「アレルゲン」と呼ばれ、体内に入る経路や種類はさまざまです。
ここでは、代表的なアレルゲンを体内への入り方ごとに分けて説明します。
花粉・ダニ・ハウスダストなど吸い込んで入るもの
花粉・ダニ・ハウスダストなどは、呼吸とともに鼻や口から吸い込むことで体内に入るアレルゲンです。
鼻などの粘膜に付着し、免疫が反応することでアレルギー症状につながることがあります。
卵・牛乳・小麦など食べることで入るもの
卵・牛乳・小麦などの食品も、アレルギーの原因になることがあります。
食品に含まれる特定のたんぱく質を免疫がアレルゲンとして認識すると、アレルギー反応が起こることがあります。
薬や昆虫などが原因になることもある
薬や昆虫などがアレルギーの原因になることもあります。
薬の服用や投与、昆虫に刺されることなどをきっかけに原因物質が体内に入り、免疫が反応することで症状が現れる場合があります。
免疫の過剰反応でどのような症状が起こる?
アレルギーによる症状は、鼻や目、皮膚など、体のさまざまな部位に現れます。
ここでは、免疫の過剰反応によって起こる代表的な症状を、現れる部位ごとに説明します。
くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状
鼻や目でアレルギー反応が起こると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が現れることがあります。
免疫反応によって放出された物質が、鼻や目の粘膜に作用することで起こります。
皮膚のかゆみやじんましんなどの症状
皮膚でアレルギー反応が起こると、かゆみやじんましんなどが現れることがあります。
じんましんでは皮膚の一部が赤く盛り上がり、かゆみを伴う場合もあります。
呼吸器や消化器などに症状が現れることもある
アレルギーでは、せきや息苦しさなどの呼吸器症状や、腹痛・嘔吐などの消化器症状が現れることもあります。
症状が現れる部位や程度は、アレルギーの種類や原因となるアレルゲンなどによって異なります。
同じものに触れてもアレルギーになる人とならない人がいる理由
同じ花粉や食べ物などに触れていても、すべての人にアレルギー症状が現れるわけではありません。
ここでは、アレルギーになりやすさに関係する体質や環境、突然症状が現れる理由について説明します。
遺伝的な体質が関係している
アレルギーの起こりやすさには、遺伝的な体質が関係しています。
ただし、アレルギーを起こしやすい体質を受け継いでも必ず発症するわけではなく、同じアレルゲンに触れても症状が現れるかどうかには個人差があります。
生活環境やアレルゲンへの接触など複数の要因が関係する
アレルギーの発症には、遺伝的な体質だけでなく、生活環境やアレルゲンに触れる機会など、さまざまな要因が関係しています。
そのため、一つの原因だけでアレルギーになるかどうかが決まるわけではありません。
ある日突然アレルギー症状が現れることもある
これまで問題なく触れていた物質でも、ある時期からアレルギー症状が現れることがあります。
それまで症状がなくても感作が成立している場合があり、同じアレルゲンに再び触れたことをきっかけに症状が現れることがあります。
アレルギーが疑われるときに知っておきたいこと
アレルギーのような症状が出たときは、食べたものや触れたものだけを見て原因を決めつけないことが大切です。
ここでは、原因の考え方や受診の目安、注意したい強い症状について説明します。
原因を自己判断だけで決めつけない
アレルギーのような症状が出ても、直前に食べたものや触れたものだけを原因と決めつけないことが大切です。
似た症状はアレルギー以外でも起こるため、自己判断で特定の物質を避け続けず、症状が出た状況や経過を確認しましょう。
症状が続く場合は医療機関で相談する
アレルギーが疑われる症状が続いたり、繰り返したりする場合は、医療機関で相談しましょう。
受診するときは、症状が出た日時や状況、症状の内容などを伝えると、原因や必要な検査を判断する手がかりになります。
呼吸困難など急激で強い症状には注意する
呼吸困難や意識がもうろうとするなど、急激で強い症状が現れた場合は注意が必要です。
短時間で悪化することもあるため、様子を見続けず、速やかに救急要請などの対応をとりましょう。
まとめ
アレルギーは、本来は体を守る免疫が花粉や食べ物などに反応することで、くしゃみや鼻水、かゆみなどの症状が現れるものです。
発症には体質や生活環境などさまざまな要因が関係しており、これまで問題がなかったものが後から原因になることもあります。
気になる症状が続いたり繰り返したりするときは、原因を自分だけで判断せず、症状が出たときの状況を整理して医療機関に相談してみましょう。
また、呼吸困難など急激で強い症状が現れた場合は、様子を見ず速やかに対応することが大切です。