はじめに
「塩分を摂りすぎると、本当に血圧が上がるの?」
「減塩をすれば、血圧はどのくらい下がるの?」と気になっていませんか。
健康診断で血圧が高いと指摘され、味噌汁や漬物を減らしたり、食品の表示を確認したりしているものの、どのくらい減らせばよいのか、実際に血圧へ効果があるのか分からないこともありますよね。
この記事では、塩分が血圧に影響する仕組みや、減塩によって血圧がどの程度変化するのか、研究で確認されている内容をもとに解説します。
塩分の摂りすぎは高血圧と関係している?
塩分を多く摂ると、なぜ血圧が上がりやすくなるのか気になっている人もいるでしょう。
ここでは、塩分を摂りすぎると血圧が上がりやすくなる理由と、塩分による血圧への影響に個人差がある理由を順に説明します。
塩分を摂りすぎると血圧が上がりやすくなる理由
塩分を多く摂ると、体内のナトリウム濃度を保つために水分が取り込まれ、血液の量が増えやすくなります。
血液量が増えると血管にかかる圧力も大きくなるため、血圧が上がりやすくなります。
特に、ナトリウムを十分に排泄できない場合は水分も体内に残りやすく、血圧が高い状態につながることがあります。
塩分による血圧への影響には個人差がある
同じ量の塩分を摂っても、血圧への影響は人によって異なります。
塩分を摂ったときに血圧が上がりやすい「食塩感受性」には個人差があり、年齢が高い人や腎機能が低下している人などは影響を受けやすい傾向があります。
そのため、塩分の摂取量だけで血圧への影響を一律に判断することはできません。
減塩すると血圧はどのくらい下がる?エビデンスから解説
「減塩すると血圧は実際にどのくらい下がるの?」と、具体的な効果が気になる人もいるでしょう。
ここでは、研究で示されている血圧低下の程度から、高血圧の人や高齢者で効果が大きくなりやすい理由まで順に説明します。
研究では減塩による収縮期・拡張期血圧の低下が示されている
成人を対象としたランダム化比較試験のメタ解析では、減塩によって収縮期血圧が平均4.26mmHg、拡張期血圧が平均2.07mmHg低下しました。
別のメタ解析でも、食塩摂取量を平均4.4g/日減らしたところ、収縮期血圧は平均4.18mmHg、拡張期血圧は平均2.06mmHg低下しており、減塩による血圧低下が示されています。
高血圧の人は正常血圧の人より血圧が下がりやすい傾向がある
減塩による血圧の下がり方は、正常血圧の人より高血圧の人で大きくなる傾向があります。
過去のメタ解析では、一定量のナトリウムを減らした場合、収縮期血圧は高血圧の人で約3.7mmHg、正常血圧の人で約1.0mmHg低下しました。
減塩量が大きいほど血圧低下も大きくなる傾向がある
減塩による血圧への影響は、減らすナトリウムの量によっても変わります。
85件の試験を対象としたメタ解析では、ナトリウム摂取量が少なくなるほど血圧も低下する関係が示されており、減塩量が大きいほど血圧の低下も大きくなる傾向があります。
もともとの血圧が高い人や高齢者では効果が大きくなりやすい
減塩による血圧の下がり方には個人差があり、もともとの血圧が高い人では低下幅が大きくなる傾向があります。
また、年齢によっても反応は異なり、高齢者では血圧が下がりやすい傾向が報告されています。そのため、同じように減塩しても、血圧が下がる幅は人によって異なります。
高血圧の人は食塩1日6g未満を目標にする
高血圧の人が減塩するときは、1日の食塩摂取量を6g未満にすることが目標とされています。
ここでは、現在の食塩摂取量を確認して減らす方法と、調味料や加工食品、外食に含まれる食塩相当量を確認する方法を順に説明します。
現在の食塩摂取量を確認して無理なく減らす
まずは、普段の食事や間食からどのくらい塩分を摂っているのかを確認してみましょう。
高血圧の人は1日6g未満が目標ですが、現在10g程度摂っている場合は、まず1日1〜2g減らすなど、無理のない範囲から始めると続けやすくなります。
食事内容や食品表示を数日分確認すると、どの食事で塩分を多く摂っているのかも見つけやすくなります。
調味料や加工食品・外食の食塩相当量を確認する
調味料や加工食品を選ぶときは、栄養成分表示の「食塩相当量」を確認し、普段使っている量から摂取量を把握してみましょう。
外食でも食塩相当量が表示されている場合は、1日の目標である6g未満を意識しながらメニューを選ぶと調整しやすくなります。
表示がない料理は正確な量が分かりにくいため、まずは確認できる範囲から意識することが大切です。
血圧管理のために減塩を続けるポイント
減塩を続けるには、食事の味を薄くするだけでなく、調味料の使い方や食品の選び方を具体的に変えることが大切です。
ここでは、調味料を控える方法と、塩分の多い食品を減らすための表示の見方を順に説明します。
調味料を控え、だし・香辛料・酸味を活用する
調味料を減らすときは、ただ薄味にするのではなく、だしや香辛料、酢や柑橘類などを活用すると、味に物足りなさを感じにくくなります。
しょうゆやソースは料理に直接かけず、必要な分だけ小皿に取ってつけるようにすると、使う量を調整しやすくなります。
塩分を控えながら無理なく続けるためにも、風味や酸味を上手に取り入れてみましょう。
栄養成分表示を確認して塩分の多い食品を減らす
加工食品を購入するときは、栄養成分表示の「食塩相当量」を確認し、1包装や1食あたりに含まれる量を比べてみましょう。
食塩相当量が多い食品を食べる頻度を減らしたり、同じ種類なら塩分の少ない商品を選んだりすると、1日の摂取量を抑えやすくなります。
1日6g未満を意識しながら、普段よく食べる食品から少しずつ見直していくことが大切です。
まとめ
塩分の摂りすぎは血圧が上がる原因の一つですが、減塩による血圧の下がり方には個人差があります。
高血圧の人は1日6g未満を目安に、普段どのくらい塩分を摂っているのかを確認しながら、無理のない範囲で減らしていくことが大切です。
まずは、しょうゆやソースを使う量を少し減らしたり、加工食品の食塩相当量を確認したりするなど、取り組みやすいことから始めてみましょう。
だしや香辛料、酸味なども上手に取り入れながら、毎日の食事で少しずつ減塩を続けていくことが、血圧を管理するうえで役立ちます。