目次
はじめに
「乳酸菌は免疫機能にどんな働きをするの?」
「ヨーグルトや乳酸菌飲料を毎日摂ると、風邪をひきにくくなるの?」と気になっていませんか。
季節の変わり目に体調を崩しやすかったり、仕事や家事で忙しく食生活が偏ったりすると、乳酸菌を取り入れて健康を維持したいと思いますよね。
この記事では、乳酸菌と免疫機能の関係や腸への働き、研究で分かっていること、食品やサプリメントからの取り入れ方を解説します。
乳酸菌は免疫機能の維持に関係している?

乳酸菌は、腸内環境に関わるだけでなく、免疫機能との関係も研究されています。
ここでは、乳酸菌と免疫機能の関係や、菌株による働きの違いについて解説します。
乳酸菌と免疫機能の関係
乳酸菌は腸内環境だけでなく、免疫細胞の働きにも関係していることが研究されています。
腸には多くの免疫細胞が集まっており、腸内細菌などと相互に作用しながら免疫機能を支えています。
一部の乳酸菌には免疫反応を調整する働きが報告されていますが、その働きは菌株や研究条件によって異なり、誰にでも同じ効果が得られるわけではありません。
すべての乳酸菌に同じ働きがあるわけではない
乳酸菌にはさまざまな種類があり、同じ種類でも菌株によって免疫機能への働きが異なります。
例えば、プラズマ乳酸菌は、免疫細胞の一種であるプラズマサイトイド樹状細胞に働きかけることが研究されています。
ただし、すべての乳酸菌に同じ働きがあるわけではないため、免疫機能との関係を知りたい場合は、菌株名や研究結果を確認することが大切です。
乳酸菌が免疫機能に働きかける仕組み
乳酸菌が免疫機能に関係する理由には、腸に集まる免疫細胞の働きが関係しています。
ここでは、腸に免疫細胞が多く集まる理由と、乳酸菌が腸管免疫や免疫細胞に働きかける仕組みを解説します。
腸には多くの免疫細胞が集まっている
腸には体内の免疫細胞の多くが集まっており、食べ物や飲み物と一緒に侵入する細菌やウイルスなどから体を守る役割があります。
特に小腸には「パイエル板」と呼ばれる免疫組織があり、腸内に入ってきた異物を監視しています。
このように、腸は栄養を吸収するだけでなく、病原体の侵入を防ぐための免疫機能も担っている大切な器官です。
乳酸菌が腸管免疫や免疫細胞に働きかける仕組み
一部の乳酸菌は、腸の免疫細胞に認識されることで、免疫反応の調整に関わると考えられています。
摂取した乳酸菌やその成分が免疫細胞に働きかけると、細胞同士の情報伝達に使われる「サイトカイン」などの物質の産生が変化し、免疫反応に影響する場合があります。
ただし、こうした働きは菌株によって異なるため、すべての乳酸菌が同じように作用するわけではありません。
免疫機能に関する研究がある主な乳酸菌
乳酸菌のなかには、免疫機能への働きについてヒトを対象とした研究が行われている菌株があります。
ここでは、各乳酸菌の研究対象・摂取期間・確認された働きと、研究結果を判断する際の注意点を解説します。
乳酸菌シロタ株の研究対象・摂取期間と確認された働き
乳酸菌シロタ株は、免疫細胞の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞との関係が研究されている乳酸菌です。
健康な高齢者などを対象に、乳酸菌シロタ株を含む飲料を数週間継続して摂取した研究では、NK細胞の活性が維持・改善されたという報告があります。
ただし、研究対象者の年齢や健康状態、摂取期間によって結果が異なるため、誰でも同じ働きが期待できるわけではありません。
プラズマ乳酸菌の研究対象・摂取期間と確認された働き
プラズマ乳酸菌は、免疫細胞の一種であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)に働きかける乳酸菌です。
健康な成人を対象に、数週間から12週間程度継続して摂取した研究では、pDCの活性に関する指標の改善や、風邪に似た症状の発生状況に違いが報告されています。
ただし、研究結果は対象者や摂取条件によって異なるため、すべての人に同じ効果が得られるとは限りません。
研究結果から分かることと感染症予防・治療効果との違い
乳酸菌の研究では、特定の菌株を継続して摂取することで、免疫細胞の働きや体調に関する指標が変化する可能性が報告されています。
ただし、免疫細胞の活性が変化したからといって、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防できるとは限りません。
感染症の予防効果には別の臨床的な検証が必要であり、乳酸菌は病気を治療する医薬品ではないことも理解しておきましょう。
乳酸菌を含む食品と日常生活での取り入れ方
乳酸菌は、ヨーグルトや乳酸菌飲料、漬物などの発酵食品から日常的に摂取できます。
ここでは、乳酸菌を含む主な食品の特徴や取り入れ方、商品を選ぶ際の確認ポイントを解説します。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の特徴
ヨーグルトには、ブルガリア菌やサーモフィルス菌などの乳酸菌が使われており、商品によって菌の種類や菌株が異なります。
乳酸菌は乳糖を分解して乳酸を作り、ヨーグルト特有の酸味や風味を生み出しています。
また、免疫機能や腸内環境との関係が研究されている菌株を配合した商品もあるため、菌株名や栄養成分表示を確認して選ぶとよいでしょう。
乳酸菌飲料に含まれる乳酸菌の特徴
乳酸菌飲料には、乳酸菌シロタ株などの特定の菌株を使用した商品があり、菌の種類や含有量は商品によって異なります。
1本あたりの乳酸菌数や菌株名が表示されているものもあり、飲み物として手軽に取り入れられることが特徴です。
ただし、糖類を多く含む商品もあるため、購入する際は栄養成分表示を確認し、摂取量にも気を配りましょう。
発酵食品から乳酸菌を取り入れる方法
乳酸菌は、ヨーグルトや乳酸菌飲料のほか、ぬか漬けやキムチなどの発酵食品からも摂取できます。
これらの食品では、乳酸菌が発酵の過程で乳酸を作り、独特の酸味や風味を生み出しています。
ただし、酢で味付けした漬物や加熱処理された食品では、生きた乳酸菌を摂取できるとは限らないため、製造方法も確認するとよいでしょう。
乳酸菌を含む食品を選ぶときの確認ポイント
乳酸菌を含む食品を選ぶ際は、商品に表示されている菌の種類や菌株名を確認することが大切です。
免疫機能への働きを期待する場合は、菌株ごとの研究結果や機能性表示の内容を確認すると、商品の特徴を理解しやすくなります。
また、糖類やエネルギー量、価格、アレルギー表示なども比較し、毎日の食生活に無理なく取り入れられるものを選びましょう。
免疫機能を意識して乳酸菌を摂取するときの注意点
免疫機能の維持を意識して乳酸菌を摂取する際は、菌株の種類や摂取量によって期待できる働きが異なることを理解しておきましょう。
ここでは、乳酸菌の種類や摂取量に関する注意点と、日常生活で意識したい健康管理の方法を解説します。
乳酸菌の種類や摂取量によって期待できる働きが異なる
乳酸菌は種類や菌株によって特徴が異なり、免疫機能への働きについても研究結果に違いがあります。
特定の菌株を一定期間摂取した研究では、免疫細胞の活性などに変化が報告されていますが、摂取量や条件が異なると同じ結果が得られるとは限りません。
そのため、商品を選ぶ際は菌株名や1日の摂取目安量を確認し、必要以上に摂取しないようにしましょう。
乳酸菌だけに頼らず食事・睡眠・運動も意識する
免疫機能を正常に保つためには、乳酸菌だけに頼らず、食事・睡眠・運動を意識することが大切です。
食事では、たんぱく質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂取し、睡眠は成人で6時間以上を目安に十分な休養を取りましょう。
また、ウォーキングなどの適度な運動を無理のない範囲で取り入れ、毎日の生活習慣を整えていくことも大切です。
まとめ
乳酸菌は腸内環境だけでなく、免疫細胞の働きや免疫反応の調整にも関係しています。
ただし、働きは菌株によって異なり、摂取するだけで感染症を予防できるとは限りません。
乳酸菌を取り入れる際は、ヨーグルトや乳酸菌飲料などから、自分に合ったものを選びましょう。
また、乳酸菌だけに頼らず、バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけることも大切です。