目次
はじめに

更年期に入ってから、「健康診断で血圧が高いと言われた」「今まで問題なかったのに数値が上がってきた」と不安を感じている方は少なくありません。
更年期と血圧の上昇は、実は無関係ではなく、女性の体の変化が大きく関わっています。
とはいえ、
「更年期だから仕方ないの?」
「放っておいても大丈夫?」
「病院に行くべきか判断できない」
と迷ってしまう方も多いはずです。
この記事では、更年期で血圧が高くなる理由をやさしく整理し、正しい向き合い方を知ることを目的にしています。
専門用語はできるだけ使わず、日常生活の中で理解しやすい形で解説していきますので、安心して読み進めてください。
「不安をあおる」のではなく、
知ることで落ち着いて対処できる状態になることを大切にしています。
更年期で血圧が高くなるのはなぜ?
更年期に血圧が上がりやすくなる理由
更年期に血圧が高くなりやすいのは、年齢だけが原因ではありません。
この時期特有の体の内側の変化が、血圧に影響を与えています。
特に関係が深いのが、
- 女性ホルモンの変化
- 自律神経の乱れ
この2つです。
女性ホルモン(エストロゲン)の低下と血管への影響
更年期に入ると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが急激に減少します。
エストロゲンには、血管をしなやかに保ち、血流をスムーズにする働きがあります。
しかし、エストロゲンが減ることで
- 血管がかたくなりやすくなる
- 血管が収縮しやすくなる
といった変化が起こります。
その結果、同じ生活をしていても血圧が上がりやすくなるのです。
これは病気というより、体質が変わってきたサインと考えると分かりやすいでしょう。
自律神経の乱れが血圧を不安定にする仕組み
更年期はホルモンバランスが大きく揺らぐ時期です。
その影響で、自律神経のバランスも崩れやすくなります。
自律神経は、
- 血圧
- 心拍数
- 体温
などを無意識にコントロールしています。
この働きが乱れると、
- 朝と夜で血圧の差が大きい
- 緊張やストレスで急に血圧が上がる
といった状態が起こりやすくなります。
「測るたびに数値が違う」「急に高くなる」という場合は、自律神経の影響が考えられます。
更年期高血圧は一時的なもの?
更年期の血圧上昇は、一時的に落ち着く人もいれば、そのまま高血圧に移行する人もいます。
個人差が大きいため、「更年期だから自然に下がる」と決めつけてしまうのは注意が必要です。
大切なのは、
- 数値の変化を把握すること
- 生活習慣と合わせて様子を見ること
そして、必要に応じて医師に相談することです。
更年期の血圧上昇でよくある症状とサイン

血圧が高いときに現れやすい体の変化
更年期で血圧が高くなると、体にさまざまな変化が現れることがあります。
ただし、必ず症状が出るとは限らず、気づきにくいケースも多いのが特徴です。
よく見られる変化としては、
- 頭が重い、ズキズキする
- ドキドキと動悸を感じやすい
- 立ちくらみやめまいが起こる
などがあります。
頭痛・動悸・めまい・ほてりとの関係
更年期に多い「ほてり」や「のぼせ」は、血圧の変動と重なって起こることがあります。
急に顔が熱くなったり、汗が出たりするのは、自律神経の調整がうまくいっていないサインです。
また、血圧が一時的に上がることで
- 頭痛が起きやすくなる
- 心臓の拍動を強く感じる
といった症状につながることもあります。
これらは必ずしも重い病気を意味するわけではありませんが、頻繁に続く場合は注意が必要です。
自覚症状がないまま進むケースもある
血圧の怖いところは、自覚症状がほとんどないまま進むことがある点です。
更年期の不調と重なり、「疲れのせい」「年齢のせい」と見過ごしてしまう人も少なくありません。
そのため、
- 定期的に血圧を測る
- 家庭血圧を記録する
といった習慣がとても大切になります。
数値の変化を知ることが、早めの対処につながります。
更年期高血圧を放置するとどうなる?
更年期でも注意したい高血圧のリスク
更年期の血圧上昇を「一時的なもの」と考えて放置してしまうと、体に負担がかかり続ける可能性があります。
血圧が高い状態が続くと、血管には常に強い圧力がかかり、少しずつダメージが蓄積していきます。
その結果、
- 動脈硬化が進みやすくなる
- 心臓や脳に負担がかかる
といったリスクが高まります。
心臓・脳・血管への影響
血圧が高い状態が続くと、心臓は強い力で血液を送り出さなければならず、疲れやすくなります。
また、血管が硬くなることで血流が悪くなり、脳や全身に十分な酸素が届きにくくなることもあります。
これが長く続くと、
- 心臓病
- 脳卒中
といった重大な病気につながる可能性も否定できません。
更年期は体調の変化が多い時期だからこそ、血圧の変化を軽く見ないことが大切です。
「更年期だから仕方ない」で済ませてはいけない理由
更年期の症状は個人差が大きく、つらさも人それぞれです。
しかし、「更年期だから仕方ない」と我慢し続けてしまうと、本来防げたはずのリスクを見逃してしまうことがあります。
血圧は、
- 生活習慣の見直し
- 早めの相談
によって、安定させられるケースも多いです。
気づいた今が、向き合うタイミングと考えることが重要です。
更年期で血圧が高いときの正しい対処法

まず見直したい生活習慣
更年期の血圧上昇は、日々の生活習慣を整えることで落ち着くケースも少なくありません。
いきなり完璧を目指す必要はなく、できることから少しずつが大切です。
食事(塩分・カリウム・脂質バランス)
食事では、塩分の摂りすぎに注意することが基本です。
加工食品や外食が多いと、知らないうちに塩分量が増えやすくなります。
また、
- 野菜や果物に含まれるカリウム
- 魚に多い良質な脂質
を意識することで、血圧のバランスを保ちやすくなります。
「減らす」だけでなく、「補う」意識を持つと続けやすくなります。
睡眠・運動・ストレス管理
睡眠不足や運動不足、ストレスの蓄積は、自律神経を乱しやすくなります。
激しい運動をする必要はなく、
- 軽い散歩
- ストレッチ
など、無理のない範囲で体を動かすことが効果的です。
睡眠は「時間」だけでなく「質」も重要です。
寝る前にスマホを見る時間を減らすなど、小さな工夫が血圧の安定につながります。
更年期世代に不足しやすい栄養素
更年期には、体の変化により特定の栄養素が不足しやすくなります。
食事だけで補いきれない場合は、意識的に取り入れることも選択肢の一つです。
血圧ケアに関係する成分(EPA・マグネシウムなど)
EPAは青魚に多く含まれる成分で、血流をスムーズにする働きがあります。
マグネシウムは、血管の緊張を和らげる役割があり、不足すると血圧が不安定になりやすくなります。
これらはあくまでサポート役であり、基本は生活習慣の見直しが土台になります。
無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
病院に行くべき?受診の目安と判断基準
更年期でも受診を考えたい血圧の数値
更年期で血圧が高いと感じたとき、「どの段階で病院に行くべきか」は多くの方が迷うポイントです。
目安としては、家庭で測った血圧が高い状態で続くかどうかが判断材料になります。
一般的に、
- 家庭血圧で135/85mmHg以上が続く
- 測るたびに高い数値が出る
こうした場合は、一度医師に相談することが勧められます。
家庭血圧と診察室血圧の違い
病院で測る血圧は、緊張によって高く出ることがあります。
一方、家庭血圧はリラックスした状態で測れるため、日常の状態を把握しやすいのが特徴です。
そのため、
- 朝と夜に測る
- 数日〜1週間ほど記録する
といった形で、家庭血圧をメモしておくと、受診時の参考になります。
婦人科と内科、どちらを受診すればいい?
更年期が関係していそうな場合でも、血圧の相談は内科で問題ありません。
更年期症状全体が強い場合や、ホルモンバランスの相談もしたい場合は、婦人科を選ぶ方もいます。
迷ったときは、まず身近な内科に相談し、必要に応じて他の診療科を紹介してもらうと安心です。
更年期の血圧対策でよくある質問

更年期が終われば血圧は下がる?
更年期が落ち着くことで、血圧が安定する人もいます。
ただし、すべての人が自然に下がるわけではありません。
更年期をきっかけに、
- 血管の硬さ
- 体重や生活習慣
といった要素が変わると、そのまま高血圧が続くケースもあります。
そのため、「更年期が終わるまで待つ」のではなく、今の数値と向き合うことが大切です。
薬を飲み続けないといけない?
血圧の治療は、人によって方針が異なります。
生活習慣の改善だけで安定する場合もあれば、一定期間薬を使ったほうが良い場合もあります。
薬は「一生飲み続けるもの」と決めつけず、
- 数値の変化
- 体調
を見ながら医師と相談して調整していくものです。
自己判断でやめたりせず、必ず専門家の指示を受けるようにしましょう。
サプリだけで改善できる?
サプリメントは、血圧対策の補助的な役割と考えるのが現実的です。
サプリだけで血圧を下げることは難しく、基本は
- 食事
- 運動
- 睡眠
といった生活習慣が土台になります。
その上で、不足しがちな栄養素を補う目的で取り入れると、無理なく続けやすくなります。
まとめ|更年期の血圧上昇は正しく向き合えば怖くない

今日からできる3つのポイント
更年期で血圧が高くなると、不安が先に立ってしまいがちです。
しかし、原因を知り、正しく向き合えば、過度に怖がる必要はありません。
今日から意識したいポイントは次の3つです。
- 血圧の変化を知ること
家庭血圧を測り、数値の傾向を把握するだけでも安心につながります。 - 生活習慣を少しずつ整えること
食事・睡眠・運動を完璧にしようとせず、続けられる形を選びましょう。 - 一人で抱え込まないこと
不安なときは、医師に相談することも大切な対処法の一つです。
更年期は、体と向き合う大切な節目の時期です。
血圧の変化をきっかけに、自分の体をいたわる習慣を見直していきましょう。