はじめに
「血圧が高い状態が続いているけれど、原発性アルドステロン症の検査も受けたほうがいい?」
「検査では何を調べて、どの数値を見て判断するの?」と気になっていませんか。
降圧薬を飲んでも血圧が下がりにくかったり、健康診断や血液検査をきっかけに医師から詳しい検査を勧められたりすると、自分が検査の対象になるのか不安になりますよね。
この記事では、原発性アルドステロン症の検査が勧められる人の特徴から、検査の流れ、結果を見るときの基準まで、順を追って説明していきます。
原発性アルドステロン症の検査はどんな人に必要?
原発性アルドステロン症は、高血圧のある人全員が一律に検査を受けるわけではなく、症状や血圧の経過などから検査を検討します。
ここでは、原発性アルドステロン症の検査を検討する主なケースについて説明します。
治療しても血圧が下がりにくい人
降圧薬を使用しても血圧が目標値まで下がりにくい場合は、原発性アルドステロン症の検査を検討します。
特に、利尿薬を含む3種類以上の降圧薬でも十分に下がらない「治療抵抗性高血圧」や、4種類以上の薬で血圧をコントロールしている場合は、原因の一つとして原発性アルドステロン症が隠れていないか確認することが大切です。
若くして高血圧になった人
若い年齢で高血圧を発症した場合は、原発性アルドステロン症など、血圧を上げる病気がないか確認するために検査を検討します。
特に40歳未満で高血圧を発症した人は、二次性高血圧の可能性も考えられるため、受診時に高血圧を指摘された年齢を医師へ伝えましょう。
低カリウム血症を指摘された人
高血圧があり、血液検査で低カリウム血症を指摘された場合は、原発性アルドステロン症の検査を検討します。
アルドステロンが過剰に分泌されると、腎臓からカリウムが排泄されやすくなるため、血液中のカリウム濃度が低下することがあります。
副腎の腫瘍を指摘された人
CTやMRIなどで副腎に腫瘍が見つかり、高血圧もある場合は、原発性アルドステロン症の検査を検討します。
副腎の腫瘍にはアルドステロンを過剰に分泌するものもあるため、必要に応じてアルドステロンやレニンを測定し、ホルモンの状態を確認します。
原発性アルドステロン症の検査の流れ
原発性アルドステロン症が疑われる場合は、最初から画像検査を行うのではなく、まず血液検査でアルドステロンとレニンを測定します。
ここでは、最初の血液検査からその後の検査までの流れを順に説明します。
まず血液検査でアルドステロンとレニンを調べる
原発性アルドステロン症が疑われる場合は、血液検査でアルドステロンとレニンを測定します。
原発性アルドステロン症では、アルドステロンが過剰に分泌される一方でレニンが抑えられる傾向があるため、2つの値から病気の可能性を確認します。
ARR(アルドステロン・レニン比)でスクリーニングする
測定したアルドステロンとレニンの値から、ARR(アルドステロン・レニン比)を算出してスクリーニングを行います。
ARRはアルドステロンが高く、レニンが低いほど高値になるため、基準値と照らし合わせて原発性アルドステロン症の可能性を判断します。
陽性・境界域の場合は機能確認検査を行う
スクリーニングで陽性または境界域となった場合は、アルドステロンの過剰分泌を詳しく調べるために機能確認検査を行います。
決められた方法で負荷をかけながらホルモンの変化を調べ、原発性アルドステロン症に当てはまるかを確認します。
必要に応じて画像検査などへ進む
原発性アルドステロン症が確認された場合は、必要に応じて副腎CTなどを行い、腫瘍や副腎の状態を調べます。
さらに治療方針を決めるため、副腎静脈サンプリングを行い、左右どちらの副腎からアルドステロンが多く分泌されているかを調べることもあります。
原発性アルドステロン症の検査基準は?
原発性アルドステロン症のスクリーニングでは、ARR(アルドステロン・レニン比)だけを見るのではなく、アルドステロン値も組み合わせて判断します。
ここでは、検査基準の考え方と結果を確認するときの注意点について説明します。
ARRとアルドステロン値を組み合わせて判断する
原発性アルドステロン症のスクリーニングでは、ARR(アルドステロン・レニン比)と血中アルドステロン濃度を組み合わせて判断します。
日本の診療指針では、ARRが200以上かつアルドステロン濃度が60pg/mL以上の場合を陽性とする基準が用いられており、ARRだけでなく両方の値を確認することが大切です。
基準を超えても検査結果だけで確定するわけではない
ARRとアルドステロン値が基準を超えても、それだけで原発性アルドステロン症と確定するわけではありません。
スクリーニングで陽性となった場合は、必要な検査を行い、アルドステロンが過剰に分泌されているかを確認しながら診断を進めます。
測定条件や服用中の薬によって結果が変わることがある
アルドステロンやレニンの値は、採血時の姿勢や時間帯、服用している降圧薬などの影響を受けることがあります。
そのため、服用中の薬や測定条件も踏まえて結果を判断し、必要に応じて条件を調整して再検査を行います。
原発性アルドステロン症の検査を受けるときの注意点
原発性アルドステロン症の検査では、服用している降圧薬や血液中のカリウム値、検査前の状態などが結果に影響することがあります。
ここでは、検査を受ける前から結果を確認するまでに注意したいポイントを説明します。
自己判断で降圧薬を中止しない
原発性アルドステロン症の検査では、降圧薬の種類によってアルドステロンやレニンの値が変わることがあります。
ただし、自己判断で薬を減らしたり中止したりすると血圧が上がるおそれがあるため、薬の調整が必要な場合は医師の指示に従いましょう。
カリウム値や検査前の状態も確認する
血液中のカリウム値が低いとアルドステロンの分泌が抑えられ、検査結果に影響することがあります。
そのため、カリウム値を確認するとともに、採血時の姿勢や安静時間など、指定された検査条件に沿って検査を受けることが大切です。
検査結果は医師の判断と合わせて確認する
ARRやアルドステロン値が基準を超えていても、その数値だけで原発性アルドステロン症と確定するわけではありません。
医師は服用中の薬やカリウム値、採血時の条件なども踏まえて判断するため、追加検査の必要性も含めて説明を確認しましょう。
まとめ
原発性アルドステロン症の検査は、治療しても血圧が下がりにくい人や、若くして高血圧になった人、低カリウム血症などを指摘された人で検討されます。
まずアルドステロンとレニンを測定し、必要に応じて機能確認検査や副腎CTなどへ進みます。
検査値は薬や採血時の条件などにも影響されるため、自己判断で薬を中止せず、検査結果について医師の説明を受けることが大切です。