目次
乳酸菌が免疫に与える影響とは

腸内環境と免疫の関係
私たちの免疫システムの多くは腸に存在しています。腸内には数百種類の細菌が共生しており、この腸内細菌のバランスが免疫の働きに大きく関わります。
乳酸菌は腸内で善玉菌として働き、腸管上皮細胞や免疫細胞と接触することで、免疫の働きを整える効果があるとされています。
乳酸菌を摂取することで、腸内環境が整い、免疫細胞が適切に反応できる状態を作ることができます。
例えば、風邪やインフルエンザなどの感染症に対して体を守る力が向上することや、アレルギー症状の緩和が報告されています。
乳酸菌による免疫調節の科学的根拠
乳酸菌の免疫調節効果は、科学的な研究でも確認されています。
特に、乳酸菌はサイトカインという免疫伝達物質の分泌を促すことで、免疫反応のバランスを整える働きがあります。
サイトカインの中でもIL‑12は、免疫の中心となるT細胞の働きをサポートし、Th1/Th2バランスを改善することが知られています。
これにより、アレルギー症状の原因となるIgE抗体の過剰生成を抑えることが可能です。
主要な乳酸菌株と免疫効果
研究で免疫活性が確認されている乳酸菌株には、Lactobacillus gasseriやLactobacillus plantarumなどがあります。
これらの株は、マウスやヒトの臨床試験でIgAやIgEなどの抗体レベルを調整する効果が報告されています。
日常生活で乳酸菌を取り入れる際には、これらの株が含まれる発酵食品やサプリメントを選ぶと、より科学的根拠に基づいた免疫サポートが期待できます。
乳酸菌の免疫調節効果に関する研究の要点
動物実験で確認された効果
乳酸菌の免疫調節効果は、まず動物実験で明らかにされてきました。
マウスを対象とした実験では、乳酸菌を投与した群で抗原特異的IgEの生成が抑制され、アレルギー反応の指標である好酸球の増加も抑えられることが確認されています。
また、T細胞の反応もTh1優位にシフトし、免疫バランスが整うことが示されました。これにより、乳酸菌が免疫系全体の調整に関与していることが分かります。
臨床試験での観察結果
ヒトを対象とした臨床試験でも、乳酸菌の免疫調節効果が報告されています。
特に花粉症やアレルギー性鼻炎の患者を対象とした試験では、乳酸菌摂取により鼻水やくしゃみなどの症状が軽減され、生活の質(QOL)も改善しました。
また、血液検査でIgEや好酸球の変動が確認され、動物実験の結果と整合性があることが示されています。
研究で使用された乳酸菌株と投与量
臨床試験で用いられた乳酸菌株はLactobacillus gasseri OLL2809などで、1日あたり10^9〜10^10CFU程度が投与されました。
研究期間は数週間から数か月にわたり、一定期間の継続摂取で免疫指標の改善が確認されています。
これにより、摂取量と期間が免疫効果の達成に重要であることが分かります。
乳酸菌の免疫調節メカニズム

腸管免疫への直接的作用
乳酸菌は腸管上皮細胞や樹状細胞に直接作用し、免疫細胞を刺激します。
この刺激により、体内の防御機能が活性化され、感染症やアレルギー反応に対する免疫力が高まります。
腸は体全体の免疫の約7割が存在すると言われる重要な部位であり、ここでの免疫活性化が全身の健康に影響を与えます。
サイトカインによる間接的作用
乳酸菌はサイトカインの分泌を促すことで、免疫応答を間接的に調節します。
具体的には、IL‑12やIFN‑γを増やし、Th1型免疫反応を強化する一方、IL‑10などの抗炎症性サイトカインも誘導されます。
これにより、過剰な炎症やアレルギー反応を抑えつつ、必要な免疫防御力を維持できます。
腸内フローラ改善による二次的効果
乳酸菌は腸内の善玉菌を増やすことで、腸内フローラのバランスを改善します。
善玉菌が増えると、短鎖脂肪酸などの有益な代謝物が産生され、腸管免疫がさらに活性化されます。
この作用は乳酸菌の直接的な効果と組み合わさることで、より強い免疫調節作用を発揮します。
日常生活で乳酸菌を活用する方法
食品から摂取する
乳酸菌は日常の食生活から手軽に取り入れることができます。
ヨーグルトや発酵乳、チーズ、納豆などの発酵食品には、免疫活性が報告されている乳酸菌が含まれています。
毎日少しずつ継続して摂取することで、腸内環境を整え、免疫力をサポートする効果が期待できます。
サプリメントで効率よく摂取する
食品だけで必要量を摂取するのが難しい場合は、乳酸菌サプリメントの活用もおすすめです。
サプリメントでは、特定株や必要な菌数を安定して摂取できるため、効率的に免疫効果を得やすくなります。
摂取する際は、臨床研究で効果が確認されている株や、1日あたりの菌数が十分に確保されている製品を選ぶことが重要です。
免疫活性が報告されている製品例
- Lactobacillus gasseri OLL2809 配合のサプリメント
- Lactobacillus plantarum 配合のプロバイオティクス製品
これらの製品は、動物実験や臨床試験で免疫調節効果が確認されており、日常的な免疫サポートに適しています。
乳酸菌と免疫に関するよくある質問

すべての乳酸菌が免疫に効くの?
すべての乳酸菌が同じように免疫調節効果を持つわけではありません。
免疫活性が確認されている特定の株(例:Lactobacillus gasseri、Lactobacillus plantarum)でのみ、科学的根拠に基づいた効果が報告されています。
そのため、摂取する際には研究で効果が示されている株を含む食品やサプリメントを選ぶことが重要です。
子どもや高齢者でも安全に摂取できる?
乳酸菌は基本的に安全性が高いとされています。
子どもや高齢者でも、適切な量であれば問題なく摂取可能です。
ただし、免疫不全の方や特定の疾患を持つ方は、医師に相談してから摂取することをおすすめします。
摂取量や期間の目安は?
臨床試験では、1日あたり10^9〜10^10CFU程度の乳酸菌を数週間から数か月にわたって摂取することで、免疫効果が確認されています。
食品から摂取する場合は毎日少しずつ、サプリメントではパッケージの推奨量を目安に継続することが大切です。
まとめ:科学的根拠に基づく乳酸菌の免疫活性
乳酸菌は、腸内環境を整え、免疫細胞やサイトカインを通じて免疫のバランスを調節することが分かっています。
動物実験や臨床試験の結果から、特定株の乳酸菌はIgE抑制やTh1/Th2バランス改善など、アレルギー症状や感染症に対する免疫サポート効果が確認されています。
日常生活では、ヨーグルトや発酵乳、納豆などの発酵食品、あるいは特定株配合のサプリメントを継続して摂取することで、科学的根拠に基づいた免疫強化が期待できます。
ただし、すべての乳酸菌が同じ効果を持つわけではないため、研究で効果が確認されている株を選ぶことが重要です。
健康な免疫機能を維持するためには、乳酸菌の摂取とともに、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を組み合わせることが効果的です。
これにより、日常生活での感染症予防やアレルギー症状の軽減につなげることができます。