はじめに
「乳酸菌の死菌って、死んでいるなら意味がないの?」
「生菌と比べて、免疫への働きは違うの?」と気になっていませんか。
ヨーグルトや乳酸菌飲料、サプリメントの商品説明を見ていると「生菌」「死菌」「殺菌乳酸菌」などの言葉が出てきて、どれを選べばよいのか迷うことがありますよね。
この記事では、乳酸菌の死菌とは何か、生菌との違い、免疫との関係、研究で確認されている内容を整理し、商品を選ぶときに確認したいポイントまで順を追って説明していきます。
乳酸菌の死菌とは?
乳酸菌の「死菌」と聞くと、生きていないため体に取り入れても意味がないのではないかと感じるかもしれません。
ここでは、死菌がどのような状態を指すのか、死菌になったあとに乳酸菌の菌体成分がどのように残るのかを順に説明します。
死菌とは
死菌とは、加熱などによって乳酸菌が生きた状態ではなくなったものです。
生菌とは異なり増殖することはできませんが、死菌になっても乳酸菌の菌体そのものがすべてなくなるわけではありません。
死菌になっても菌体の成分は残る
乳酸菌は死菌になっても、菌体を構成していた成分までなくなるわけではありません。
生きた状態ではなくなったあとも、たんぱく質や細胞壁などの成分が残るため、「生きていない=乳酸菌の成分が何も残っていない」というわけではありません。
乳酸菌の死菌と生菌の違い
乳酸菌の死菌と生菌は、どちらも乳酸菌を利用した食品や製品に使われますが、生きた状態で存在するかどうかが大きな違いです。
ここでは、死菌と生菌の状態や腸内での違いに加えて、死菌が保存や加工をしやすい理由について順に説明します。
生きた状態かどうかが大きな違い
死菌と生菌の大きな違いは、乳酸菌が生きた状態かどうかです。
生菌は生きていて増殖できる状態ですが、死菌は加熱などによって生きた状態ではなくなっており、増殖することはありません。
死菌と生菌では腸内での働き方が異なる
生菌は、生きたまま腸まで届くと、腸内で活動することがあります。
一方、死菌は腸内で増殖することはありませんが、菌体の成分は残っているため、生菌とは異なる形で体に関わると考えられています。
死菌は保存や加工がしやすい特徴がある
死菌は乳酸菌が生き続けることを前提とした管理が必要ないため、生菌よりも保存や加工がしやすい特徴があります。
加熱を伴う加工にも取り入れやすく、さまざまな食品や製品に利用されています。
乳酸菌の死菌でも働きが期待されるのはなぜ?
乳酸菌は生きている状態でなくなると働きがなくなるように思えますが、死菌になっても菌体を構成する成分までなくなるわけではありません。
ここでは、死菌になったあとも残る菌体成分と、それらを利用してどのような研究が行われているのかを順に説明します。
死菌になっても菌体成分までなくなるわけではない
乳酸菌は死菌になっても、菌体を構成していた成分がすべてなくなるわけではありません。
加熱などで生きた状態ではなくなったあとも、細胞壁や細胞膜などを構成する成分は残るため、乳酸菌由来の成分までなくなったとは限りません。
死菌の菌体成分を利用した研究が行われている
死菌に残る菌体成分については、体にどのように関わるのかを調べる研究が行われています。
細胞や動物などを対象とした研究もあり、乳酸菌が生きているかどうかだけでなく、死菌に残る成分にも注目が集まっています。
乳酸菌の死菌と免疫との関係
乳酸菌の死菌は生きた菌ではありませんが、菌体成分と免疫機能との関係について研究が行われています。
ここでは、死菌の菌体成分と免疫機能との関係、死菌でも研究されている理由、菌株による違いを順に説明します。
死菌の菌体成分と免疫機能との関係が研究されている
死菌になった乳酸菌にも菌体成分が残るため、免疫機能との関係について研究が行われています。
研究では、死菌や菌体成分を用いて免疫細胞の反応などが調べられており、乳酸菌が生きているかどうかだけでは判断できないことが分かります。
死菌だから免疫への働きがなくなるとは限らない
死菌は生きた乳酸菌ではありませんが、菌体成分までなくなるわけではありません。
残った成分が免疫細胞などに働きかける可能性も研究されていますが、死菌を摂れば免疫機能が高まると一律に判断することはできません。
菌株によって研究されている働きは異なる
乳酸菌は菌株によって性質が異なるため、ある菌株の死菌で確認された働きが、ほかの菌株にも当てはまるとは限りません。
研究内容を確認するときは、どの菌株が使われているのかにも目を向けることが大切です。
乳酸菌は死菌と生菌のどちらがよい?
乳酸菌を選ぶとき、「生きている生菌のほうが死菌より優れているのでは?」と考える人もいるでしょう。
ここでは、死菌と生菌を比較するときの考え方と、目的や商品の表示内容を確認して選ぶポイントを順に説明します。
死菌と生菌を単純な優劣で比較することはできない
死菌と生菌は性質や利用のされ方が異なるため、単純にどちらが優れているとはいえません。
生菌は生きた状態での働き、死菌は残っている菌体成分などに着目されており、それぞれの特徴を踏まえて考えることが大切です。
目的や商品の特徴を確認して選ぶ
乳酸菌を選ぶときは、生菌か死菌かだけでなく、菌株名や1日あたりの摂取量、商品の表示内容も確認しましょう。
商品によって使われている菌株や特徴が異なるため、自分の目的に合っているかを確認して選ぶことが大切です。
乳酸菌の死菌についてよくある疑問
乳酸菌の死菌について調べると、「加熱して菌が死んだら、摂取しても意味がないのでは?」と疑問に感じることがあります。
ここでは、加熱によって乳酸菌が死菌になった場合の考え方と、死菌と腸内環境との関係について順に説明します。
加熱した乳酸菌はすべて意味がなくなる?
加熱によって乳酸菌が生きた状態ではなくなっても、菌体を構成する成分まですべてなくなるわけではありません。
そのため、「生きていないから意味がない」とは一概にいえませんが、生菌と同じ働きを期待できるわけでもありません。
死菌は腸内環境にも関係する?
死菌は生きていないため、腸内で増殖することはありません。
一方、死菌に残る菌体成分と腸内環境との関係については研究が行われており、生菌とは異なる形でどのように関わるのかが調べられています。
まとめ
乳酸菌の死菌は、生きて増殖することはありませんが、菌体に残る成分についてさまざまな研究が行われています。
そのため、「生きていないから意味がない」と考えるのではなく、生菌とは異なる特徴を持つものとして捉えると分かりやすいでしょう。
また、生菌と死菌はそれぞれ特徴が異なるため、どちらが優れていると単純に比べることはできません。
乳酸菌を取り入れるときは、生菌・死菌だけにこだわらず、菌株名や商品の表示内容、1日の摂取目安量なども確認しながら、自分が続けやすいものを選んでみてください。