はじめに
「お酒を飲んだあと、アルコールは体の中でどうやって分解されるの?」
「飲みすぎた翌日に頭痛や吐き気が起こるのは、アルコールが残っているから?」と気になっていませんか。
飲酒した翌朝に体がだるかったり、頭が重かったりすると、体内で何が起きているのか知りたくなりますよね。
この記事では、アルコールが体内に吸収されてから分解・排出されるまでの流れや、代謝に関わる物質、分解速度に個人差が生じる理由、二日酔いとの関係を整理します。
アルコールは体内でどう分解される?
体内に入ったアルコールは、そのまま体外へ排出されるのではなく、胃や小腸から吸収されたあと、主に肝臓で段階的に分解されます。
ここでは、アルコールが吸収されてから体内で代謝されるまでの流れを順に説明します。
アルコールは胃や小腸から吸収されて肝臓へ運ばれる
飲酒したアルコールは胃や小腸から吸収され、血液中に入って肝臓へ運ばれます。
特に小腸から吸収される割合が多く、小腸に到達すると速やかに血液中へ取り込まれます。
アルコールはアセトアルデヒドを経て酢酸に分解される
肝臓に運ばれたアルコールは、主にアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解されます。
その後、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きによって酢酸へと分解されます。
酢酸はさらに分解されてエネルギーなどに利用される
アルコールから生じた酢酸は全身へ運ばれ、細胞内でアセチルCoAに変換されたあと、エネルギーとして利用されます。
最終的には二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿などを通じて体外へ排出されます。
アルコールの分解に関わる酵素の働き
アルコールの分解は、肝臓にある複数の酵素によって段階的に進みます。
ここでは、ADHとALDHがそれぞれどの段階で働くのかを説明します。
ADHがアルコールをアセトアルデヒドに分解する
肝臓に運ばれたアルコールは、主にADH(アルコール脱水素酵素)の働きによってアセトアルデヒドへ分解されます。
生成されたアセトアルデヒドはそのまま体内にとどまるのではなく、次の段階でさらに分解されます。
ALDHがアセトアルデヒドを酢酸に分解する
アセトアルデヒドは、主にALDH(アルデヒド脱水素酵素)の働きによって酢酸へ分解されます。
このように、アルコールはADHとALDHの働きによって、アセトアルデヒドを経て酢酸へと順番に分解されていきます。
アルコールの分解速度には個人差がある
アルコールが体内から抜けるまでの時間は、すべての人で同じではありません。
ここでは、アルコールの分解速度に差が生じる要因について説明します。
飲酒量や体格などによって分解にかかる時間は変わる
アルコールの分解にかかる時間は、飲酒量や体格などによって異なります。
純アルコール量が多いほど分解に時間がかかり、同じ量を飲んでも体格などの違いによって個人差が生じます。
ADH・ALDHの働きには遺伝的な違いがある
アルコールの代謝に関わるADHやALDHの働きには、遺伝的な違いがあります。
特にALDH2は遺伝子型によって働きに差があるため、アセトアルデヒドを分解する速さにも個人差が生じます。
時間がたてば必ずアルコールが抜けるとは限らない
飲酒後に一定の時間がたっても、アルコールが完全に抜けているとは限りません。
体内に残る量は飲酒量や分解速度によって異なるため、「飲酒から○時間」といった経過時間だけで判断しないことが大切です。
アルコールの代謝と二日酔いの関係
二日酔いには、アルコールの代謝過程で生じるアセトアルデヒドが関係する要因の一つと考えられています。
ここでは、アルコールの代謝と二日酔いがどのように関係しているのかを説明します。
アセトアルデヒドは二日酔いに関係する要因の一つ
アルコールの代謝で生じるアセトアルデヒドは、二日酔いに関係する要因の一つです。
体内では酢酸へ分解されますが、分解が追いつかないと体内に残りやすくなります。
ただし、二日酔いはアセトアルデヒドだけが原因ではありません。
二日酔いには脱水や睡眠への影響・炎症反応なども関係する
二日酔いには、飲酒による脱水や睡眠の質の低下、炎症反応なども関係すると考えられています。
アルコールの影響で水分が失われたり、睡眠が浅くなったりすることも、翌日の体調に影響する要因になります。
二日酔いの程度には飲酒量や体質による違いがある
二日酔いの程度は、飲酒量や体質によって異なります。
飲む量が多いほど翌日に症状が残りやすく、アルコールやアセトアルデヒドを分解する酵素の働きにも個人差があるため、同じ量を飲んでも症状の程度には違いがあります。
まとめ
アルコールは胃や小腸から吸収されたあと、主に肝臓で「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸」の順に分解され、最終的には二酸化炭素や水として体外へ排出されます。
分解にはADHやALDHなどの酵素が関わり、その働きや飲酒量、体格などによってアルコールが体内から抜けるまでの時間には個人差があります。
また、二日酔いにはアセトアルデヒドだけでなく、脱水や睡眠の質の低下、炎症反応など複数の要因が関係します。
飲酒後の経過時間だけで「アルコールが抜けた」と判断せず、飲酒量や体調も含めて考えることが大切です。